誰が作曲家?
クラシック音楽のなかにはいつのまにか違う作曲家が作ったとされてしまうものがあります。ここではそんな曲を紹介していきます。

カッチーニのアヴェマリア
旧ソ連の作曲家ウラディーミル・ヴァヴィロフがつくったという説が有力です。
Wikipediaによれば、「ヴァヴィロフは、自作をきまって昔の作曲家、たいていはルネサンス音楽やバロック音楽の作曲家のものとした」とのこと。
(この話で思いつくのは、名ヴァイオリニストであったクライスラーの話です。彼は、自分の作った曲に音楽辞典で目に付いた作曲家の名前をつけ『○○の様式による△△』と発表していました。のちに彼が作曲家名はでたらめにつけたと発表するやいなや非難囂々、大論争を招いたそうです)
そもそもアヴェマリアの祈祷文を無視して、アヴェマリアとだけ繰り返すのは、バロック音楽では考えられないようです。





アルビノーニのアダージョ
アルビノーニの研究者であったレモ・ジャゾットがつくりました。
彼は、図書館で見つけたアルビノーニ作品の断片をもとに編曲したとされていたのですが、ジャゾットの真作であると判明しています。
悲しみに浸るような曲想は、確かにバロック音楽らしからぬところもあります。


改めて聴いてみるとどれも作曲者の問題が霞んでしまうぐらい良い曲ばかりです。