令和4年5月29日(日)

a 経済制裁や正義・不正義判定で「積極的」に欧米を支持する流れは、この国のマスコミ報道の基調和音ほど大きくない。

 

b 欧米思考による植民地体制やその後の核保有半独占による冷戦体制下における欺瞞や正義標榜の裏側をリアルに体験・反映している国々の感性は結構冷ややかだ。

 

c 欧米主体の支援を受けたウクライナ側の頑張りの中で、ある意味予想以上にロシアが後退せざるを得なかった情況の膠着がこの三か月余りの攻防後の基調としてある。

 

d 結果として「戦後レジームへの激震感」はこのところ「旧来の冷戦構造化で繰り広げられたレベル類似の戦争状態感」に表面上は押し戻ったとも見える。

 

「核保有大国」が「核使用すらも匂わせて」「他国の首都キーウへ直接侵攻」するという事態がなければ、ソ連時代の社会主義同胞名目のハンガリー・チェコへの侵攻や、現地政権支援名目としてのアフガニスタン・シリアへの侵攻や、ロシア系住民の保護名目のチェチェンや南オセチア侵攻等同様、戦後レジーム構造下で先進資本主義国家が南米や中東やアフリカでやってきた事とさほど大きな差異のインパクトを生じなかったのだろうから。

 

冷戦構造崩壊後の資本主義の慢心が垣間見せてしまったリーマンショックのカラクリと同じ様な事をロシアの軍事大国としての慢心が垣間見せてしまっただけという事。かな?

ロシアとしては「クリミア半島はうまくいったのに?」と。後悔している所はあるかもしれないが、戦略目標を従来規模に変更しての立て直しに争点や大義名分を戻す事に総力を注ぐ事になる。か。今後は夫々の周辺国の思惑の下、そこからの軍事・経済・外交駆け引きが焦点になっていくのだろう。トルコがNATO加入問題をクルド人問題に利用しようとする様に、天然ガスを通じてのしっぺ返しのリアルに本音と建て前が乖離し始める大衆心理の様に。

だが、戦後レジーム下の世界を巡る色々な綻びの穴からこの国のお茶の間でも垣間見させてしまったものは残る。いや、残る人達には残る。だろう。

 

少なくとも中国は今回のロシアの軍事行動の世界的な作用・反作用をじっくりと反芻して、次の時代へ向けて太平洋へ向けての重要拠点ともなる台湾「開放」準備を様々に練り直しているだろう。

アジアの中で東アジア情勢と東南アジア・南アジア・西アジア・中央アジア情勢はそれぞれに中露ブロック化への利害が異なる。東アジアで海越しに中露と間近に接する日本は環太平洋の海洋国家としての特性を踏まえて、今後の防衛・外交・通商政策を再点検せざるを得ないだろう。

 

情報化社会と地方分散・自給自足型経済へのノスタルジア志向の活用・ロボットと労働生産性による剰余価値創出の分配論・ベーシックインカム化と少子高齢化。適正人口密度と少子高齢化。拝金主義と勝ち組・負け組ラベル・自己責任論の親和傾向。生きる楽しみと文化と死生観。死生観と生き方。深海と宇宙開発。海洋国家と深海・(原子力)潜水艦。

色んな事が老化していく頭の中でグルグル。

韓国との付き合い方も含めて、この国の次世代大変だなあ。

ま。「意識高い系」にならなければいいだけかもなんだが・・・