引き継ぎを始めようと会議室へ入り、世間話をしていた
その彼は、年下だったが、とても頼りになる存在で
何かあればいつも相談していた
考え方が理路整然としていて、感覚的な仕事をする私とは
正反対だった
´ 僕は妹がいたこともあって、上からものをいう感じがあって、
それに慣れてるから、どうも年上の人は苦手だったんですけど
○○さんは違って、全然平気で話しやすかったんです ´
突然、そんな話を始めた
好意を持ってくれていたようだった
そんな風には感じていなかったので、少し驚いたが
きっと頼りにしていたことが嬉しかったのだと思う
そんな話をしていると、ドアをノックする音がした
彼だった
なぜか少し不機嫌で、
´ 早く引き継ぎを終えて帰るように ´
と言い残して会議室を出ていった
微妙な空気のもと、
´ さ、始めようか、引き継ぎ ´
鼓動が早くなるのを感じながら
少しずつ引き継ぎをすすめていく