『八日目』(仏) | 極私的映画と音楽のススメ

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介



人生で一番時間をかけていること・・

これってなんだろう。


まずすぐ思いつくのは睡眠時間。

僕たちは一日の1/3は睡眠に費やしています。

(基本睡眠時間は7時間でしたっけ?)


まあ、これは生物のいとなみですので、いたしかたない。


次に、思いつくのが、仕事に費やす時間。

基本は8時間労働なので、これも一日の1/3にあたります。



これほど、多くの時間を占める仕事という時間。


この時間をどれだけ前向きに使うかで人生変わってくるような気がします。



でも、仕事に夢中になるあまり、それが、人生の中心となってしまう場合もあります。

自分の時間よりも、睡眠よりも、家族よりも、仕事が大事。

仕事で成果を挙げることが生きがい。


俗に言うワーカホリックですね。



よく日本人は、ワーカホリックといわれますが、そんなこと無いんじゃないかなと思います。

真面目だっただけじゃないかなと。


ハイリスク、ハイリターンで常に成果をもとめられる成果主義の横行している

アメリカのエリートビジネスマンにこそ当てはまる言葉のような気がします。




この映画でフランスの名俳優、ダニエル・オートゥイユが演じる主人公も

まさにこんなワーカホリック。

仕事仕事で走ってきたけど、ふと気づくと家族の心を置き去りにしていた。



でも成果をあげなければならない。

仕事が一番のプライオリティになってしまっていると、なかなか自分では変えられない。



そこで出てくるのが、この映画で登場する障害者たち。


彼らの自由な生き方、というか、心の部分をとても大切にする姿に

しだいに、主人公の頑なな意志がゆっくりと氷解していきます。



大人になるにつれて、みんな忘れていく大切なもの。

それをいつまでも忘れていない人たちに出会うことで

何かが変わっていく。

それは少しずつかもしれないけど、足踏みしているよりは何倍もまし。



家族の大切さに気づいた主人公の表情。

前半と後半で大きく異なっています。


緊張、不安、悩み、怒り、から

安堵、安心、安らぎ、微笑へ



大切なものを忘れかけている現代人へ

何が一番大切なのかを教えてくれる名作です。


家族と笑いあうラストが忘れられません。