『鉄道員』(伊) | 極私的映画と音楽のススメ

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介


「ぽっぽや」ではなく、イタリアの古い名作。


イタリア映画には、時折、むちゃくちゃ愛くるしい子供が登場するけど

この映画にも、ニューシネマパラダイスに負けるとも劣らない素敵な子役が登場します。

上の画像の少年がそう。



この少年がまあ、いい演技をするんですよ。

うれしいときは、本当にうれしそうだし、

悲しいときなんて、つられて泣いてしまいそうになるくらい。


イタリアって名子役が多いんですよね。

さて、この映画は第二次世界大戦後のイタリアが舞台です。

この子の父親は鉄道運転手。

少年は父親の走らせる機関車を誇らしげに見守っている。


ある日、父親の運転する機関車に若者が飛び込んでしまう。

父親は、いたく責任を感じて、放浪の旅に出てしまう・・・


そして、少年の父親を探す毎日が始まる・・・



この映画のラストシーンは、映画史に残る名場面です。


父親が隣の部屋でギターを弾いている。

ギターを弾く手がアップで写される。


やがて父親の手は音を奏でるのをやめ、静かにギターの上に手が置かれる。


眠ったんだと思って、隣の部屋を見ながら微笑むお母さん。


お父さんが戻ってきて幸せそうな少年。


幸せに包まれている家庭を見渡してこの映画は終わります。



きっと、ここで終わらせてよかったんだろうな。

あとは見る人が、自分なりにその後を想像すればいいのだし。



今でも、このシーンの手がゆっくりと下りていくところが

ギターのメロディーとともにスローモーションで頭に焼き付いている。


この、ギターの音色がいつまでも心に残る名作です。




今度はイタリア映画特集です。

新旧取りまとめてご紹介します。

(初投稿:2005/8/30、再投稿:2006/8/5)