![]() | ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) 778円 Amazon |
健康を求め過ぎた世界とは?
とても面白かった。科学的で、物語の展開もミステリー的でワクワクして読み進められる。読み終わった後には、人間の究極の成れの果てはこういうものかと理解できた。
時代は100年先であろう技術進化と社会情勢が大きく変わる世界。健康が全て電子的に管理され人間が統一化され始めつつある中で人間とは?『わたし』という意識はどこから生ずるのか?を理屈を持って描かれている。
この本を読み進めていく中で自分とは何か?を改めて認識されることになる。
自分の考えや意識というのはこれまでの人生で学び、経験し、人と接することで形成されてきたと考えているのだが、この世界では全て遺伝子や脳機能により発現してきたと説明する。
勿論、自分は自分でしかないし、自分以外にはわかりっこないのだが、それは外部刺激によって変化してしまうことも実際にはあるから納得せざるを得ない。さらに、意識は進化の過程で人間を守るために生じてきた。確かに、疲れた時は脳機能が弱まるし、元気な時はあれこれと意識が生じる。
何でも科学で証明できるようになってきており、自分のことも数式で表すことができるようになってるかもしれない。じゃあ自分の考えはありがちで汎用性のあるものなのかなんてちょっとナーバスになったりしてしまう。
でも、自分は自分であり、自分の考えは唯一無二であり、自分の養った感性や絶対感は周りに影響を与えているのだ。自分を高めて他人に影響を与えていくのが自分の人生のやるべきことであるし、まだまだ自分という人間を高めければいけない。あとは仕事をして定年を迎えて死ぬだけなんてありえない。多少のストレスを抱えても、悩んで悩んで時には息抜きして成長するのが人生なのだ。その結果、子供や大切な人に影響を与えるのが自分の使命だと考える。だって、人は死ぬ時は無になるしかないのであるから、他人に託すしかないのである。
