![]() | すべてがFになる (講談社文庫) 792円 Amazon |
なんかのブログで森博嗣はアフォリズムが秀逸と書いてあった。アフォリズムとは物事の真実を簡潔に鋭く表現した語句のことである。
本作すべてがFになるはミステリとして完璧なほど伏線を回収し、テンポが良い作品である。その中に散りばめてあるアフォリズムも良くて、『そうやって、個人を満足させる他人をコンピュータが作り出して、その代わり、人はどんどん本当の他人とコミュニケーションをとらなくなる...ということですか?そうだね、そう考えて間違いないだろう。情報化社会の次に来るのは、情報の独立、つまり分散社会だと思うよ(p358)』って文章なんかは1996年時の文章とは思えない。
この他にも人生についてだったり、世間一般に対する批評などの数々のアフォリズムは腑に落ちる。そんなアフォリズムを発見し楽しく読み進めていくと同時にミステリとして内容が昇華されていく、そして最後はその結末に唸ってしまうのだ。
