善と悪の二極による二重人格の話。


たった117ページだったが事件性は加速していった。構成は面白く、サスペンス感もあって良かった。


自分という人間は生まれた時の教育により、善い方向へ行動するように意識づけられている。悪いことをすることで社会で生きていくことはできないから、真っ当に考えれば悪いことはやらず善いことをやることが自分にとって利のあることばかりである。


本作のジーキル博士も同様な人生であったのであろう。ただその人間を探究する純粋な気持ちから善と悪の二重人格を作ってしまった…。


そういうストーリー性も面白かった。人間は多種多様な人格を宿している。脳の機能は十分に使われていないし、それらが使われたら人格は容易に変わるだろう。精神の在り方が大きく変わってしまうことは明日は我が身。常に自己と見つめる必要があるのだ。余裕のある時には自己を見つめるのは容易だが、余裕がないと自分を見失う。自己を見つめる時間を作り出し、ハイドにならないように気をつけなければいけない。