恋愛小説なんだけど、ただの恋愛小説ではない。まずこんな感想を抱いた。


読み終わった時は恋愛小説読んだ後のドキドキ感がありつつも、なんか様子がおかしい。なんなら読んでる途中も、恋愛に似せたSF短編集かな?ってくらいにしか読んでなかったら、最後に繋がった感じですごい気持ちよかった。


恋愛とは何か、好きとは何か、小説を書くとは何かについて、アフォリズムが多くあり、一つ一つの言葉に感心した。例えば『人間の本音なんていくつもあるのだ。どれか一つじゃない。人間の無意識も複数あって、それがせめぎ合ってるに違いない。(p50)』なんてあるけど、無意識と意識の複雑な絡みから人間って言葉を発してしまう。だから一つの言葉でその人間のことを判断するべきではないのだ。


もっと人間のことを分かりたい、もっと好きな人のことを分かりたいって思わせてくれる小説である。