『幽霊たち』を借りてからポール・オースターという作者にハマっている。


『孤独の発明』『偶然の音楽』と読んできて、今回の『ムーンパレス』に至る。現実的空想とでも表現すればいいのだろうか、ポール・オースターは現実にありそうな話を書くのが上手いと思う。特にオースター自身が経験した自伝であると錯覚させられ、自分としてはこれらの物語にのめり込むことで稀有な人生経験をさせてもらっているのだ。


『ムーンパレス』では物語が3度変化する。自暴自棄な青春時代、救われて新たな世界を足を運ぶ時代、自分の生涯を省みる時代。まさに青春小説!自分もまさにこんな物語の真っ只中にいるのだと思うと他人事でなくなってくる。


主人公MSフォッグの行動を見ると、『あぁこんな気持ちわかるー』『流石に馬鹿すぎるだろ、現実考えろよ!』なんて、心で声を出しながら読んでしまう。こんな感じで主人公の気持ちに感情を動かしながら、自分という人間を見つめ直しているんだな。そう考えると、小説って面白い!


特にポール・オースターは人間を如実に描いている。一見破天荒に見えても、人間にはこんな側面があるのでは?こんな物語を読むことですごく人生が豊かになって、視野も広げているのだと思う。