支援者とか伝達者とかは、いつでも巽(そん)の立場といえます。
末を遂げず、実を残さず、名も無き人々です。
あれこれ迷い、身に余ることはせず、あなたは立派だね、エライね、と言われ続けても、いや、別に何もしていないですと言います。その態度を「巽順」といいます。
巽の陰陽がひっくりかえると震(しん)となります。
震は英雄です。世を轟かせ、人々の心に残り、名を残します。
易の教えは、
陰極まれば陽となる。
陽極まれば陰となる。
巽順でいれば良かったものを、と人は言うけれど、彼の中で何かが極まったのでしょう。留まらず変容していくのは、自然の理とも言えます。
〝震の来るときげきげきたり、恐れて福を致すなり、後には則あるなり〟
良い結果を信じていらっしゃったと思います。
しかし、九四の伝える如く
〝泥に遂つ〟
泥ならぬ、砂に足をとられてしまわれました。
誠に残念なことです。ご冥福をお祈りいたします。
引用文献 岩波書店 易経(下)高田真治 後藤基巳 訳