勝手に翻訳~『偽装者』編1 | 青い檸檬はなんの味?

青い檸檬はなんの味?

思ったこと。
思ったと反対のこと。
思いのままつらつら書き連ねる。
ここはそんな、ブログというよりもメモ帳的場所です。

 

<注>

★原作を知らない。

★中国語字幕と英語字幕を参考。

★直訳・意訳入り乱れ=美しい日本語ではない(=日本語が不自然)

★ドラマを知らない方には不親切な書き方。

 

 

 

◎◎◎

 

 

 

■第23話 明家3兄弟の“トライアングル”

 

 (長男と次男、車から降りて)

 

誠(次男):もう帰ってきてるみたい。

 

楼(長男):ご飯ができているはずだ。

 

誠:あいつの中でどれだけの怒りがたまっていると思う。この静けさ、屋敷が破壊※1されてないだけましだってのに、ご飯とか言ってる場合か※2

 

楼:向き合わねばならないものは、いつか向き合うべきだ。何を恐れる。

 

 (長男と次男、屋敷に入って)

 

誠:ご飯のにおいなんてしてないぞ。硝煙のにおいしかしてないからな。

 

楼:あいつに何ができるっていうんだ。※3

 

 (長男が背を向けたところで)

 

誠:明台。おまっ…!※4

 

(次男、三男に殴られたのか押されたのか、階段から転げ落ちる。長男、駆け寄って次男を支える※5

 

台(末っ子三男):阿誠兄さん※6。階段から落ちちゃうなんて、油断しすぎじゃない※7。長年この家にいて、階段もまともに上れないなんてね※8

 

 (三男、階段から下りてくる)

 

楼:なんだ。※9

 

台:それはこっちのセリフだ!※10(と言って、長兄に銃を向ける)

 

誠:(すかさず銃を抜き、弟に向けて)気でも狂ったか!?

 

 (※ここで兄弟3人のトライアングル完成)

 

楼:何をするつもりだ。

 

台:答えをくれ。※11

 

楼:もうわかっているのではないか? わたしに銃を向けるとは、いい度胸だな。撃てるのか。

 

台:撃てないと思ってんのか。

 

誠:銃を下ろせ!

 

台:下ろすもんか!※12

 

楼:(直弟に)おまえが先に下ろせ!

 

誠:こいつが先だ!※13

 

台:(次兄に)どうせ撃てやしないだろ!※14

 

誠:撃てないとでも思ってるのか!?

 

楼:(直弟に)銃を下ろせ!!

 

誠:こいつが先だ!!

 

楼:こいつに撃てると思っているのか!?

 

台:ぼくに撃てないと思ってるのか!!

 

 (三男、長男背後の壁にかかっている絵に発砲。絵、落ちる。次男、驚愕。長男、耳を押さえる。次男、三男の順で銃を下ろす)

 

楼:(直弟に)遅かれ早かれ、この一発は撃ち出されなければいけなかったんだ。……まったく、これじゃ一晩じゅう頭の中がキンキン鳴りっぱなしになるな。――(末弟に)いい腕じゃないか。

 

台:(長兄に改めて銃を向けて)なんでなんだよ!※15

 

 (次男、三男に改めて銃を向ける)

 

楼:なんでなどない。

 

台:なんで嘘をついた!

 

楼:おまえは嘘をついてないのか。

 

台:なんで教えてくれなかったんだッ!!

 

 (長男、三男の銃を奪う。以降、二人のバトル。次男は見学)

 

 

 

<筆者注>

 

※1 原文では「壊す、解体する」の意である「拆」を使っている。ちょっと語気の強い日本語を選んでみました。

 

※2 原文を直訳すると「(あなたは)まだご飯を食べることを気にかけているなんて」くらいの意味。においを香りと訳したほうがより日本語に近いかもしれませんが、役者さんのセリフのさばき方を聞くと、あえて「におい」にしました。

 

※3 直訳は「(わたしは)あいつに何かする度胸があるとは信じない(思えない)」

 

※4 中国語でよく言葉に詰まるときなどに使うのが「你」や「我」。前者は普遍的な「あなた」の意で、後者は日本語でも使われる「わたし」の意。

さて、こういう使われ方をした場合、「你」や「我」はどう訳したらよいのでしょうか。

文字の意味のままなら、おまえを指す「おまっ」とかが無難でしょう(場合によっては安易な選択ともなりますが、今回はシーン全体を考慮して、あえてこちらをチョイス)。ただ問題は必ずしも「おまえ」と訳せば日本語らしくなるわけではないようです。どちらかというと「ちょっ」とか「なっ」とか「そっ」(それは、そんな)とかがより正しい日本語訳と思います。筆者は特に「なっ」が使いやすいと思っています。

 

※5 何事もないかのように振る舞っていますが、このときの次男は左肩に銃傷を負っている。

・・・どんだけ痛み止め打ってるんでしょうか;;;

 

※6 名前に「阿」をつけるのは、日本で言うところの「お菊ちゃん」の「お」と近い感じ。ただ中国では男女の別はなく、また日本では尊称になるのに対し、中国では親しみや近しい関係を表すようです。発音は「お」ではなく「あ」。『偽装者』の劇中に登場する日本人も、次男のことをそのまま「あ・せい」と呼んでいます。

 

※7 直訳は「あなたは何故そんなにうっかりして転んだのですか」

 

※8 正確に訳すなら「階段を上るのにも転んじゃうなんてね」

 

※9 ちょっと意訳。正確に訳すなら「何をする」

 

※10 正確に訳すなら「ぼくのほうこそあんたが何をするつもりか聞きたいね!」。意訳というより、会話のリズムを優先させました。

 

※11 正確には「答えがほしい」なのですが、語気の強さを優先させて、「くれ」としました。

 

※12 正確には「なんで下ろさなきゃいけない!」。リズム優先。

 

※13 正確には「こいつが下ろせば俺も下ろす!」。リズム優先。

 

※14 直訳は「ぼくが(銃を)下ろさないからと言って、あなた(次男)は撃てるのか!」。ド意訳(笑)

 

※15 リズム考えずに訳すなら「なんでなのか教えろ!」。直訳するなら「なんでなのか知りたい!」

 

 

 

◎◎◎

 

 

 

まるで早口言葉の応酬の如く激しい兄弟喧嘩です。

 

 

でも明家4姉弟(一番上に姉上様がいらっしゃいます)のシーンは、ドラマの中の清涼剤のようで、観ているとホッとします。

 

 

それがぶつかり合いだろうと、しつけだろうと。

 

 

 

 

・・・このドラマの時代背景は1939~40年です。

 

 

ネイティブな友人が言うには、ちょっと残念なのは、セリフに2000年代の中国語が見られることだそうです。

 

 

なんでも明らかに近年日本語から輸入した言い方なのに、作中で使われているとか。

 

 

専門家だったり、歴史が好きだったりする人には違和感を覚えることかもしれませんが、そもそも言葉の変遷なんて当代人は何も気にせず使っているので、たぶん気づかない部分も多いのではないだろうか。

 

 

それに観るのは当代人ですからね。

 

 

当代の人々に意味が通じれば、ちょっとくらいはおおめに見てもいいのではないかと思ったりします。

 

 

 

 

 

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