勝手に翻訳~『琅琊榜』編5 | 青い檸檬はなんの味?

青い檸檬はなんの味?

思ったこと。
思ったと反対のこと。
思いのままつらつら書き連ねる。
ここはそんな、ブログというよりもメモ帳的場所です。

 

<注>

★『琅琊榜』は日本語字幕版を最初の3話くらいしか観ていない。

★原作未読。

★中国語字幕と英語字幕を参考。

★直訳・意訳入り乱れ=美しい日本語ではない(=日本語が不自然)

★中国(や英語)は日本語と違って、普通に話している分だと「タメ口」なので、できるだけそういう雰囲気で訳すことにする(キャラクターの関係性は考慮する)

★ドラマ(もしくは原作)を知らない方には不親切な書き方。

 

 

 

◎◎◎

 

 

 

■未放映カット 第33話 第4場

 蘇宅にて、蘇+靖+沈+蔡※1

 

 

 (和やかな雰囲気)

 

沈:私に言わせれば、あの18人の中で、最も頑固で、最も独りよがりで、最も他人の諫言に耳を貸さない者となれば、蔡どの※2が筆頭でありましょう。このさき議場で何かことがあるとすれば、訊くまでもなく、こやつが引き起こしたに違いありません。(笑う)

 

蔡:先達のおっしゃることが理に適っていれば、いわれもなく耳を貸さない道理などありましょうか。

 

蘇:ご心配なく。程閣老の物事の処し方に如才がないのはまことであり、といって学識の深淵たること偽りでもありません。いざ世子がたの論文を批評するとなったとき、もしかすると蔡尚書はあの方と争うこともできぬのやもしれません。

 

沈:ほら、見ろ。蘇先生ですらそなたが一番学がないことを知っておられる。

 

 (沈追、笑顔で靖王を見る。靖王、声に出さず笑う)

 

沈:もちろん、ただの一度の改革では習慣を改めることはなかなかに難しい。とはいえ、不正なくば試験※3をなさずの悪癖を取り除くことは、行政を正す第一歩です。蘇先生が(程閣老を)推挙してくださったこと、殿下に代わり御礼申し上げます。

 

 (沈、蘇に丁寧に一礼。蘇、とんでもないと身振りで示す)

 

蔡:蘇先生には国士の才がおありです。ただ才には徳とのつり合いが必要となります。そうでなければ聖人の道にもとるというもの。今の世の中、皆がみんな政のあり方に関心をもっている。どうか先生、よくよく大事になさって、誤って邪道に入りってしまわれぬように。※4

 

 (蘇と靖、「???」な視線を交わす)

 

蘇:と、おっしゃいますと?

 

 (沈、靖に「いけ」的な視線を投げるも、靖、まったく意味がわかっていない様子。

 それに気づく蘇。沈、もう一度同じ視線を投げるが、靖はよくわからないまま蘇を見る。

 蘇が沈に視線を流すので、靖、視線を沈に戻す。

 沈、仕方なく笑う)

 

沈:先生はかように聡明であられるなら、ものの見方も他者と異なるところがおありだろう。どなたが目下の朝廷の退勢を払拭できるか※5、どなたが世の民のために政を行えるのか、きっと先生はすでに心当たりがあるのではないだろうか。

 

蘇:お二方とも、どうかご心配なく。わたくしが帝都に上ってすでに1年余りです。見るべきものはすでにはっきりと見定め、思案すべきことも、とうに答えが出ております。これからは、何かとお二人にご指摘、ご教鞭いただくことも多いかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 

 (蘇、丁寧に一礼。沈・蔡、顔を見合わせてから、返礼。

 靖、蘇を見て、微かに口角を上げる)

 

 

 

<筆者注>

 

※1 身分順でいうと、靖王>沈追=蔡荃>~>蘇哲。

日本語だと、靖王は言葉遣いに気をつける必要がない。蘇先生は一応「客卿」の身分を朝廷から賜っているとはいえ、平民なので一番へりくだらなければいけない。沈と蔡は朝廷の高官なので、靖王に対してへりくだり、蘇先生に対して普通の口調で話す。

――という図式になるのですが、この場面では、最初は非常に砕けた空気で(詳しい人物関係はドラマ参照)、日本の慣例に従うとまったく雰囲気が出ません。こういうところが翻訳の難しいところで、原文の雰囲気に忠実であれば原則「タメ口」。翻訳する言語の国に従うなら、ここはやはり「です・ます」くらいにはしとかないと、今度は国的に変。おまけに蘇先生は在席の全員が認める学識深い人間なので、沈・蔡の二人は彼を敬っている姿勢。

そしてシーンの後半、「タメ口」空気から一転して生真面目空気になる。

訳すほうは、ちょっと頭を抱えざるを得ない。

 

※2 原文は「老蔡」。名字の前に「老」や「小」をつけて呼ぶのは親しげな言い方で、砕けた関係と言える。ただ日本語に訳す場合、官位のある者同士が互いにつける尊称「大人」も「どの」と訳せますので、ニュアンスを出すのに苦心するところ(というより日本語では出せない)。

といって「さん」づけもな…。ニュアンス以前の問題になるので、どうしたっておかしいんだよな……

 

※3 科挙の試験のこと。中国語字幕では「科場」とあるが、セリフではどうも違う単語を言っているようで、ここは流れを推測して曖昧に訳しました。

 

※4 蔡のセリフ、半分文言文。筆者は上記のように理解して、ところどころ意訳しましたが、間違いと思われたご指摘ください。

・・・はっきり言って、ギブ。

 

※5 原文の直訳なら「退勢を再び奮い起こすことができるか」となる。

 

 

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未公開シーンも公開しちゃう中国ドラマです。

 

 

なかなか面白いカットが満載で、あそこはこういうことだったのか、とか、あの出来事はこうなったのか、とか、いろいろつながりが見えてより楽しめます。

 

 

中には原作知らない者にはよくわからないシーンもありますが、何故本編に残してくれなかった! というものもあります。

 

 

何より貴重なのは、撮影時の音声がそのままだということです。

 

 

つまり声優さんを使っている人物は役者本人の声で残っていて、

 

 

吹き替えでないほうも撮影当時の声なのです(言いたいこと伝わっているでしょうか?)

 

 

『琅琊榜』は演技の上手い役者さんばかりなので、セリフ回しも聞き応えありです。

 

 

 

・・・ちなみにこのシーンのオススメポイントは、なんといっても視線のやり取りです(^^)

 

 

 

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