乱気流・シビアータービュランス | ブルージェットの空からブログ|プライベートジェットの機長・航空会社社長ブログ

乱気流・シビアータービュランス



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22年間も小型機で飛んできたが、シビアータービュランスという飛行機の構造に影響を与えかねない乱気流に初めて遭遇した。




計器飛行証明の訓練で高松空港を離陸して名古屋空港に日没まぎわに飛んでいた。




高松空港を離陸し、順調に琵琶湖がある大津に向けて順調に航空路V28を高度7000フィートで飛行していた。




神戸空港近くの加古川上空付近できれいな虹が見えた。




思わず携帯で写メを撮った。




この写真の数分後、飛行機の進行方向に丸い虹が出来て、そこを飛行機がくぐる幻想的な世界になった。




虹をくぐる瞬間だった。




まるで交通事故にあったように透明な空気の壁にぶつかったごとくすごい衝撃にシートベルトもはずれ、後部座席の緊急脱出窓が開いて機内に轟音が響いた。




慌てて、スロットルをアイドルにして、機首を下げる。




管制機関に報告する余裕もない。




操縦桿をしっかり握り神戸空港に向かい針路を右にとった。






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ものすごい乱気流に操縦桿が重い。スロットル(車で言うアクセル)はアイドルなのに速度計が飛行機の構造上の限界速度近くまで不規則に振れた。




管制機関に神戸空港に早急に着陸したい意向を無線で伝え目視で進入していく。




無事に着陸すると管制塔から電話がきて大丈夫かと一同心配してくれた。




着陸して機体を確認する。窓が開いた以外は損傷がなく無傷でホッとした。




台風と前線がぶつかり合う所で、気象台に行ったら職員が「私が勤務していてこれほどの風の変化と乱気流観測は初めてです、よく回避できましたね、まともに入ったら空中分解するほどの風のシャーです」と言われた。




名古屋に夜間飛行で帰ろうとしたが、まだ風が強く、安全をとって神戸に泊まることにした。




身体が痛い。教官席で右手で操縦桿をとったが、左の腕に内出血と、左の背中と右のわき腹が少し痛い。




考えると乱気流の兆候はあった。




高松から巡航に入ると不規則な上下運動を飛行機が繰り返した。




あらためて自然の力のすごさを感じた。逆らえない自然現象が空には潜んでいる。




とっさの判断、左によけていたらまともに乱気流に入り、翼がふっとんでいたかもしれない、ビーチクラフトは構造上頑丈な飛行機だとあらためて思った。




僕は慌てなかった、目をしっかり開けて、飛行機が体の一部になったように制御できた。




空は常に油断は出来ないことをあらためて感じた出来事だった。




来週は計器飛行証明の実地試験になる。




試験官の指示で僕が試験官席に座り試験をすることになった。




今回の訓練生は、離島の医療業務に飛行機を使うために、全天候でも飛べる資格を取得したいと依頼されたのに僕の心が動いた。




明日から最終訓練が始まる。




僕の教官のプライドにかけて合格させたい。




bluejet





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