TPPがもたらすもの

ＴＰＰという言葉が新聞やニュースで話題になっている。

日本は参加することを迫られ、首相は参加表明をした。

「これは大変なことだ」と思っているのは僕だけではないだろう。

日本が世界標準を迫られる1歩だ。

日本という島国は、ある意味いろいろな規制に守られてきた。

世界経済の収縮の中で、内需のある国の利益を自国の利益に少しでもつながるようにしたいということだ。

報道されている農業の分野だけの解放でなく、生活の分野では衣料品から家具まで、日本は激しい競争の波にさらされる。

これから医療業界、車業界や航空業界まで様々な業界にＴＰＰの波が押し寄せる。

航空業界では、競争力あるＬＣＣ（ローコストキャリア）という低価格の航空会社が次々と日本の空に参入する。

航空業界においては、日本はアメリカから20年は遅れている。

日本人のパイロットが少なくなるのを肌で感じる。

グローバルに企業を考えていないと、10年先、現在安泰に見える会社も無くなるかもしれない。

空が世界中つながっているように、経済が平等に国の国境を越えたら、物作りを含めて、生活水準の高い日本は海外競争力に負ける。

現在、アメリカは報道で「景気が悪い」と言われているが、ビジネスジェット業界は、秘かに活気に沸いてきている。友人のアメリカ人パイロットは連日のフライトで引く手あまたである。

諸外国では、道路で物乞いをする子供たちがいる国もたくさんある。

僕はこのＴＰＰの拡大は、日本をさらなる格差社会へと導く一歩になると感じる。

10年後の日本の姿に恐ろしいほどの危機感を持って、ＴＰＰ報道を読んでるのは僕だけなのか。

台風と梅雨が同時に迫っている。

bluejet

(写真はマイアミの投資家のプライベートハンガーの中から撮影）