大好きなフロスト警部シリーズの最終作です。シリーズが終わってしまうのがもったいなくて、ずっと読まずに本棚に積ん読しておいたんですが、このたび思い切って読むことにしました。1行1行、じっくりと読みました。
いつものごとく、人手不足のデントン署に事件が次々に舞い込み、フロスト警部が事件捜査に駆り出されるてんやわんやの数日間。デントン市内の森で人間の足首が次々に発見され、スーパーマーケットに脅迫状が届き、ティーンエイジャーの少年少女の行方不明事件、少女の連続強姦致傷事件、年配女性のひったくりetc.が立て続けに起こります。その一方で、フロスト警部の天敵のマレット署長は、フロスト警部を他の警察署に追いやろうと画策する・・・・・というストーリーです。
今作も、相変わらずのドタバタ劇でした。相変わらずなんですが、マンネリというわけではなくて、本作でも、奇想天外な事件の数々にエキセントリックな容疑者たちがてんこもりで、全く退屈することはありませんでした。
前作に引き続き、愛すべきダメ刑事のモーガン刑事が登場しています。モーガン刑事は、わずかではありますが、前作よりは仕事が出来るようになっていて、成長が見られたように感じました。
(ストーリーとは無関係ですが、私的には、このモーガン刑事は、霜降り明星のせいやさんのイメージとかぶるんですよね。)
最終作のせいか、今作ではフロスト警部のしんみりした過去の回想や内省的な部分が多く描かれているように感じました。
ラスト数ページは、フロスト警部の未来が明るいものであることをほんのりと暗示しているようで、素敵なハッピーエンドでした。
このシリーズは、警察小説としても秀逸ですが、やはりフロスト警部というキャラクターの魅力が素晴らしいと思います。
下品な下ネタや冗談をぼやきながら、仕事には熱心に取り組み、
自分の手柄をあげるよりも、被害者の救済に重きを置き、
仕事はまあまあ出来るのに、署内政治に無頓着なために、上司からの評価は低くて、
それでいて、部下思いで、同僚たちからの人望は厚い。
スーパーヒーローでもなく、天才でもなく、聖人君子でもない、その辺にいそうなただのおっさん。
・・・こんなに人間味あふれた主人公はなかなかいないと思います。
大抵、シリーズものは、途中でマンネリ化したり、つまらなくなってきて、最終作まで読むことは少ないんですが、本シリーズは、最終作までずっと面白かったです。
とうとうこのシリーズを全て読み終わってしまい、さみしい気持ちでいっぱいです。
シリーズ第一作から再読してみるのもいいかな。
