ここのところ、生活が上手くいかず、心がささくれ立っていたので、
元気をもらおうと、図書館で借りました。
おなじみマカン・マランシリーズの第三弾です。
とある路地裏で夜だけひっそりと開店する夜食カフェ「マカン・マラン」。店主は、元エリートサラリーマンにして、現ドラグクイーンのシャールさん。当マラン・カランに、日々の生活に疲れた人たちが辿り着きます。今作の登場人物は・・・昼間はコールセンターで働きながら、夜は匿名サイトにクレームを投稿することで日頃の鬱憤を晴らす非正規OL(第一話)、料理人としてのキャリアに躓き味覚障害を発症してしまった青年(第二話)、タワーマンションで裕福な暮らしをしているが、浮気三昧の夫とは仮面夫婦状態で、その夫から離婚を迫られている主婦(第三話)、自らの死後の相続問題を憂慮してエンディングノートを書き進めている老婦人(第四話)。
今作もすごく面白かったです。
本シリーズは、タイトルと装丁のほんわかしたイメージとは裏腹に、切実な内容も盛り込まれていて、読み応えがあります。同ジャンルのほんわか系小説は巷にありふれていますが、本作は、内容の充実度が抜きん出ていると思います。
特に、第一話の主人公の綾は、かなり救いが無い状況にあり、序盤は読んでいて胸が詰まりそうになりました。この主人公のような人たちって、今の日本にたくさんいそうですね。こんな悲惨な状況にいる綾ですら、シャールさんの押しつけがましくないアドバイスによって救われていく場面が秀逸でした。シャールさんの優しさは、さりげないのが良いです。
やっぱり、シャールさんは素敵ですね。小説の中の架空の人物とはいえ、もはや私の「推し」といっても過言ではありません。
すっと続いて欲しいシリーズです。
残りはあと一作だと思っていたんですが、最新作が最近発売されたようなので、うれしい限りです。
