「マカン・マラン」シリーズが面白かったので、同じ著者の本作を読んでみました。
とある小学校で「誕生日会禁止令」が出され、そのことが、生徒たちや生徒の親たちに波紋を投げかける。これによって引き起こされる問題や自らの誕生日会にまつわる経験を、同小学校の関係者の視点から描く連作短編集です。各編は、美術教師、小学校四年生の姪を持つ広告代理店社員、小学校四年生の母親であるヤンママ、出版社勤務のイケメン編集者、同出版社勤務で小学校四年生の娘を持つ人事部長、学年主任、学年主任の義妹の視点から描かれています。
全編を通して、タイトルから連想される軽やかさとは裏腹に、ずっしりと深い内容でした。
共通のテーマはお誕生日会ですが、舞台は小学校だけにとどまらず、広範囲の関係者の視点で各編が描かれているので、独身子なしの私でも、楽しめました。
リアルタイムの連載途中でコロナ禍が発生したらしく、終盤の編は、コロナ禍がかなり大きく取り上げられていて、「誕生日会」という主題がかすんでしまったのが残念です。
でも、それ以前の編は面白かったです。
特に、出版社が舞台の第4話と第5話は、自分の会社員時代を思い起こし、共感しきりでした。
例えば、リア充タイプの人間が、社会に出てから、コツコツ努力してきたオタクタイプに追い抜かれるというのはあるあるですね。
誕生日会の問題だけでなく、正規・非正規雇用、働き方や結婚観に関する世代間ギャップ、民間企業や学校での多国籍化・多様化など、世情を取り入れているのが上手いと思いました。
本作も、面白かったです。
でも、「マカン・マラン」シリーズほどではなかったかな。
