いろんなメディアやSNSでとにかく高評価だったので、読んでみました。
1969年、まだ人種差別が色濃く残る時代、ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見されるという不審死事件が起きる。人々は、「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれてきたカイアに疑いの目を向ける。幼少期に家族に置き去りにされてから、カイアはたったひとりで湿地で生きてきた。読み書きを教えてくれた初恋の相手テイトや親代わりとなってカイアを支えるジャンピン&メイベル夫妻に助けられて、カイアは湿地の生物学に精通した知的で美しい女性へと成長するが、あるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく。そして、カイアの人生が不審死事件と交錯して、物語は予想を超える結末へ──といったストーリーです。
すごい傑作でした。いや大傑作でした。読んで良かった!!!
文学&ミステリー&生物学の融合といった感じで、壮大な世界観でした。
それでいて素敵な物語でした。
少女の成長物語がメインのテーマとして描かれていますが、これに絡めてミステリーとしてもハイクオリティな作品になっています。
不審死事件の真相については、賛否両論があるようですが、著者が描きたかったであろうもう一つのテーマ──動物行動学に基づいた野生生物の原始的な本能が人間のDNAにも潜在的に組み込まれていること──を考慮すれば、この結末は必然だったと思います。
いろんな要素が詰まった作品なので、文学としてもミステリーとしても分類しきれない凄い傑作です。
こういう素晴らしい作品に出会えるので、読書は止められない!!!