60年近く前に出版された有吉佐和子著「非色」が再び売れている
らしいです。
この作品は、1964年に出版された後、絶版になりましたが、
2020年に復刻されていたみたいです。
私も何年か前に読んだときには、すごく考えさせられると同時に
感動も覚え、忘れられない作品となりました。
やっぱり素晴らしい作品は、いつの時代にも受け入れられ、読み継がれて
いくんですね。まさに不朽の名作です。
戦後黒人兵と結婚した主人公の笑子が、NYに渡って人種差別や偏見に
苦しみながら逞しく生きる・・・といったストーリーです。
主題は人種差別なんだけど、人間社会の中で普遍的に存在する様々な差別や偏見、
こういった差別を生む人間の本質についても赤裸々に描かれていて、
「人間って嫌な生き物だな~」と読んでいる間に何度もつらくなりました。
だけど、その分、主人公が自らの境遇を受け入れ、立ち向かい、自身の
尊厳を取り戻していく姿は爽快でした。
60年近く前の作品ですが、現代の社会問題にも通じるテーマなので、
絶対にお薦めです。