古内一絵著「マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ」読了。 | 非正規独身女の読書日記ときどき手芸etc.

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貧乏暇なし生活の合間に読書するのが生きがいです。面白くない本は最後まで読まないので、面白かった本の書評だけをブログにあげています。だから更新頻度は低いですが、ブログに挙げた本は、お薦めできるものばかりなので、読書好きの方は参考にしていただけると幸いです。

ネットで高評価だったことから、前から読みたかった作品。

読んで良かった。

主要な登場人物が皆善人な点も、安心して読めるし、読後感もかなり良かった。

やっぱり、店主のシャールさんの魅力が、この作品の面白さにかなり貢献していると思う。

 

こんなカフェが近所にあればいいのに。

 

ロスジェネ世代で会社勤めの経験がある身としては、1話の「春のキャセロール」と3話の「世界で一番女王なサラダ」が特に共感できたかな。

 

「春のキャセロール」(1話)

仕事が出来る人が重大な局面で責任をとらされて失脚して、立ち回りだけが上手くて波風を立てずに組織の中を泳ぎ回る人ばかり出世するっていうのは、どこの会社でもあるある・・・って感じ。

 

「世界で一番女王なサラダ」(3話)

不安定な職務形態で将来の保証もなく身を粉にして働いても低収入しか得られないロスジェネ世代の契約ライターのさくら。これに対して、大手出版社に就職して当然のように好景気の恩恵を受けてきたバブル世代の女性編集者。さくらが必死に取材して書いた記事に、女性編集者は悪びれもせずダメ出しする理不尽さ。読んでいる間中、身につまされる程共感できた。