私はずーと無症状キャリアでした。
定期的に検査を始めたのが
上の子を妊娠した30半ば。
20代前半B型肝炎を告げられてから
それまで検査に行ったことがなかった。

半年に一回 血液検査とエコー検査。
毎回 ドクターが

「変わりませんね。次の予約は…」

これだけの作業が半年毎に繰り返された。
ドクターとは検査結果以外会話がなかった。

ただ一回だけ
「もしかしたらB型肝炎訴訟出来るかもしれない」
ボソッと言った。
それ以上の説明もなく、
私からも質問はしなかった。

なにも知らないままの私だった。
自分でも情報を得ることはしていなかった。
その日病院にあった集団訴訟のチラシを
ペラッと手に取りカバンに入れた記憶がある。


3年くらいして定期検査に行かなくたった。
検査に行っても
時間とお金ばかりかかって無駄かな…
勝手に自信を持ってそう思った。
そしてなにより
B型肝炎である自分に劣等感、罪悪感を感じなくてはいけないのが嫌だった。