いや、自分の不勉強を恥じた。

機能性表示食品(以下機能性)によるものと思われる健康被害問題。

(被害の原因が特定できていないので、まだ断定はできませんけど)

 

そもそもだけど・・・


自分はいままで、特保と機能性との違いを充分に理解していなかった。 


いや、機能性という言葉の意味すらわかっていなかった。


試しに冬場にお世話になってた飲料や、胃腸に良いと思って食べていた食品などを調べてみたら、全て機能性表示食品であった。



いまさらだが、これらの商品について、メーカーHPで科学的エビデンスをしっかり読むと、データ標本数の少なさなどひっかかる部分も多い。


試しに、みなさんも説明書きの細かい字をつぶさに追ってみれば。

えっ、そんな少ない数なの?と驚くこともあると思う。


なんとなく自分の身体に良いだろう。

とか、ネットで人気だから試してみるか、と何も考えずにいた自分ってアホだな、と。


念のために、消費者庁のパンフレットから、両者の違いを抜粋しておく。


機能性表示食品って何?

消費者庁パンフレット2015年7月改訂版


わたしが枠で括った箇所を特保の説明と比較してみれば、その違いは明白である。


説明箇所で、わざわざ朱書きしているように、特保が国で効果や安全性を審査し許可しているのに対し、機能性は、科学的根拠に関する情報を消費者庁に届けるだけで、表示することは、あくまで事業者責任に留まっているのだ。


ということで、

自分が一番重要だな、と思ったのは、メーカーが消費者庁に提出している科学的根拠に関する情報の信憑性というか確実さ、である。


もちろん真面目に機能性食品に取り組んでいるメーカーもあるとは思うが、メディア情報などによると、かなり疑わしいものもあるようだ。


例えば、日経クロステックの2022.8.4のネット記事、「揺らぐ機能性表示食品への信頼」には


多くの食品メーカーが機能性の科学的根拠として、不充分な臨床研究論文を拠り所にしている可能性があることを指摘している。


ご興味があれば検索して、いろいろな情報を読んでいただきたい。

わたしは、正直う〜ん。と唸ってしまった。


別に機能性がすべて悪いものだとは思わないが、あたかもその全てが優良な商品であると誤認しやすいのは確かなので、今一度そのあり方や我々消費者へのアナウンスを考え直す必要があるのではないだろうか。


・・・



ちなみに、この制度がなぜスタートしたのかを調べていって、アベノミクスの三本の矢の一つ、成長戦略のひとつだったということを初めて知った。


莫大なコストをかける特保より、エビデンスを拾ってきて認可が貰える機能性表示食品は、製薬メーカーや食品メーカーなどにとっては、大きなメリットであったろう。

いまや市場規模は推計で6800億円を超えるのだという。たったの9年で、だ。


もしも日経クロステックの記事にあるように、科学的根拠の乏しい研究論文で機能性が易々と謳われていたのだとしたら、


すごく乱暴な例えかもしれないけど、

例えば、ただの砂糖水みたいなものを身体に有益なサプリと謳うようなことをしていたら、


それは、消費者軽視と言わざるを得ないし、そんな成長戦略では意味がない、と言えるのではないだろうか。


あくまで今回の件とは、切り離して考える問題ではあるが、

身体に良い影響を及ぼすと表示する以上、ある程度科学的根拠のしっかりした商品だけにお墨付きを与えるような制度への再設計が必要だと思うのだが。


・・・


最後に今回の健康被害問題で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。