今日は昔から大好きなお菓子を。

千代田区の九段南にある“ゴンドラ”のパウンドケーキ。通販可能。

ゴンドラさんのモットーは
“知られてるケーキをよりおいしくつくること”

こちらのパウンドケーキは、決して派手な味ではないのですが、とにかく口溶けが素晴らしく滑らかで

口の中に含んで水分を含んだ生地が、ほかのパウンドケーキとは全く違う感じに柔らかくなるのです。

しっとり。でも、スッキリ。
不思議な感じ。

そしてケーキの生地を歯で噛んだときの感じも、独特。その生地の肌理というか、風合いがとにかくとても心地よい。

味は繊細で懐かしい味わい。
あたりまえだがすごく美味しい。

一見、どこにでもありそうに感じる味なのだけど、ここにしかない味。

そして、重要なのは
時間が経つと“また食べたいなぁ”と思ってしまうところ。

わたしの凡庸な表現では表現しきれないので、しおりに書いてある、エッセイストの三宅菊子さんの文章から抜粋してみましょう。

“ゴンドラさんのお菓子は幼い頃からの深いおなじみ。ということは、私の母がこのお菓子をいかに愛したか、でもあるのだ。

靖国神社をへだててすぐに住んでいたわたしたち母子は、嬉しいことがあっても、ちょっと悲しくても、なんの理由もないときでも、よくゴンドラさんにお菓子を買いにいった。

そしていつもこの味で最上の機嫌になってしまうのだった。

その頃からかれこれ三十年、わたしたちはずっとゴンドラさんのお菓子を愛し続けてきた。

とくにパウンドケーキに惚れている。

洋菓子のいちばん基本で、だからこそいちばん難しいのではないかと思われるこのお菓子では、ゴンドラさんの作る味にかなうものをまだ食べたことがない。

時々新しい店、ほかの店のお菓子に浮気をしても、”やっぱりゴンドラ”と、原点に戻ってくる。”

“おいしいものは“時間が経ってから、また食べたくなる味”

オシマイ。