今日は80年前のファッション雑誌表紙をご紹介します。

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パッと見て、??て感じですよね。

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ハーパースバザー1939年7月号
天才グラフィックデザイナー カッサンドルによるもの。

シュールだけど、クールでオシャレなデザインで好きなんです。

カッサンドルの名前を知らない方でも、たぶん彼のポスター作品をどこかできっと見たことがあると思います。

わたしが初めて見たのは中学か高校の美術の教科書の中でした。

有名なのはノルマンディー号という船のポスターなど。
ご興味があればググってみてください。

1930年代のハーパース・バザーの表紙は現在のような女性のファッション写真ではなく、こういった極めてアート性の高いものでした。

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1938年12月号
名編集長のカーメル・スノー
天才アートディレクター アレクセイ・ヴロドヴィッチ、写真家 マン・レイなど、それこそキラ星のような人びとがこの雑誌を作っていました。

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カッサンドルは水を得た魚のように、アール・デコの素晴らしいデザイン作品の数々を発表していきました。

カッサンドルがすごかったのはグラフィックだけでなくタイポグラフィも素晴らしい作品を数多く残したこと。
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この踊るようなタイポなんか、まさにアートしてます。

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こうした素晴らしいタイポグラフィがあると、目次ページのアルファベットの羅列だけでも見てて楽しくなるのです。

いま、そんな雑誌ありますか?

こうやって昔のハーパースバザーの表紙を見ていると、当時のファッションや文化の美しさの本質を見事に切り取って表現していたような気がしてなりません。

一方で現代のファッション誌にはこういったアートな表現はほとんど見受けられず

きらびやかで・・
鮮明クリアな・・
グラマラスな・・
美しいファッション写真が氾濫しています

それらの価値を否定はしませんが

本当にいまの時代の美しさをしっかりと表現できてるのだろうかと、改めて問いかけられているような気がするのです。