いつも訪問いただきありがとうございます。今日は大好きなデザイナー山名文夫さんの作品を「山名文夫 生誕百年作品集」(1998年 資生堂企業文化部)からご紹介します。

以前にも何回か取り上げたことのある山名文夫さん。詳細説明は割愛しますけれど、簡単に説明すると、日本の近代的な広告デザインの先駆者で、資生堂の広告デザインを作り上げた天才デザイナーです。

有名なデザインとしては資生堂の花椿マークなどがよく知られています。

山名さんの作品自体も自伝的な著書もすごく好きなんだけど、とにかく素晴らしいと感じるのは、デザインが古くさくなくて新しいところ。

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できるだけ少ない描線と白、黒だけで、こんなモダンなデザインができちゃうって、すごいと思うんです。
ちなみにこれは1927年の作品。いまから90年前のもの。

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これは80年前の1939年の作品
現代のいたるところに氾濫してるイラストの原型を感じさせます。

こういったモダンなイラストだけじゃなくて、クールでスタイリッシュなデザインも作られてます。

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これは1934年の対外宣伝雑誌「NIPPON」の広告。名取洋之介の率いた日本工房時代のもの。以前の記事でも紹介しました。80年以上前のデザインとは思えない斬新さ。

実は、この前、雑誌「暮らしの手帖」の編集者だった花森安治さんの一人娘、土井藍生さんのお話を世田谷美術館で聞いてきたんですが・・

何年か前に花森さんの作品の展覧会をやったときに、20代の美術学生さんが、花森さんのデザイン画を見て「すごい!全部手書きなんですね!」って驚いてたそうなんです。

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で、逆に藍生さんが、「えっ?手書きじゃなくてどう書くの?」ってびっくりされたんだそうです。そこで、現代はデザインをパソコンで作ることができることを初めて知ったんだそうです。

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1946年の作品

山名さんの作品を見ていると、手仕事が生み出す描線だけが持つ、他の何にも代えることのできない美しさを感じます。

あ、そういえば・・
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ここにも・・
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山名文夫さんのデザインが・・
新潮文庫の葡萄マーク。
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以前にも書きましたね(笑)

知らないうちに、あなたも山名さんのデザインを目にしているかもしれませんね。
ブルーグリーンブックスへぜひどうぞ。