いつも訪問いただきありがとうございます。
今日は50年代のVOGUEで活躍した写真家を1951年5月1日号からご紹介します。


クリフォード・コフィン。
去年の9月30日、10月1日と連続して取り上げたファッション写真家です。

詳しいことは過去の記事を読んでいただきたいのですが、クラシックかつモダンな彼の写真がすごく好きです。

上の写真も、構図や白黒バランスがパーフェクト!!おそらくブローチや手袋、帽子などの小道具にもかなり拘ったことでしょう。
完璧主義者で周囲を困らせたと言われていることが良くわかる一枚です。

彼の絶頂期は50年代。印象的なカラー写真が有名ですが、わたしはシックな、独特の陰影を持つ白黒写真もとっても好きなんです。

どんな昔のファッション雑誌もそうですが、ページをめくっていて、おやっと目を惹かれるのは、やはり有名な写真家のものが多い。
それはコフィンも同じなのですが、彼がほかと違うのは、良い作品と普通の作品のギャップがかなり激しいところ。
え、これが、コフィン?って首をかしげるようなものもあれば、すごいな、やっぱりカッコいいなぁと感嘆するようなものもあるのです。
アーヴィング・ペンやアヴェドンなどはコンスタントなレベルだと思うのですが・・


一枚目もそうですが、とにかく彼の写真の素晴らしさは、女性の横顔の美しさの引き出し方。
昨年9月30日の記事にナンシー・バーグの横顔をアップしているので、興味のある方は見てください。


正面からショットにも、当然良い作品もあります。

背景も含めて素晴らしい作品。 写真全体に漂う空気感がすてきです。


コフィンはゲイだったので、当時は社会からかなり偏見を持たれていた様です。
再評価も20年ぐらい前からですから、遅かったような気もします。
でも、ゲイならではの感受性の高さや感度の高さを持っていたがゆえに、時の流れに耐えうる魅力的な作品群が作り出せたと言えるかもしれません。
素晴らしい作品は時間の流れに負けません。ブルーグリーンブックスへぜひどうぞ。