こんにちは、菅部です
 ここ最近朝と夜がかなり冷え込み、とうとう暖房を入れるようになりました。猛暑同様、電気代が嵩む季節になりますね
 

 さて、タイトルのままなのですが、一ヶ月程前から妖怪関連用のTwitterアカウントを作成しました(勿論青羽のではなく、菅部個人のアカウントです)

興味のある方はフォローをよろしくお願いいたします→ 菅部 享天楽(妖怪関連アカ)(@2FlxBYb0lijwuz)


こちらのアカウントでは民俗学や俗信、伝承、妖怪などのツイートを一日一回以上します(予定)


 今回はそちらのアカウントで呟いた伝承を二つ詳しく紹介しようと思います


【狭男七のたたり火】
福岡県八幡区の伝承
昔、小倉から黒崎の里へ狭男七という若者が母と共に越して来た。狭男七は奉行者で母を助けて毎日野良仕事をしていた。
 同じ黒崎は前田の里にお小夜という娘がおり、村でも大層評判だった。
 二人はいつしか愛し合う仲になり、先々のことを話し合っていた。
 ところが前田の里で組頭をしている太吉がいた。太吉は村の若者たちと酒を飲んでは喧嘩をするという暴れ者だったが、お小夜を自分の嫁にしようとしていた。
 狭男七とお小夜の仲が噂になり、太吉はお小夜と縁談をしたが、断られた。太吉は狭男七に憎しみを持つようになり、日に日に憎悪が膨れ上がった。
 前田天満宮の祭りの夜、太吉は狭男七とお小夜が仲良く天満宮の境内へ入っていくのを見かけた。太吉は我慢できなくなり、狭男七に難癖をつけ、前田の海辺まで連れ出し、仲間と共に袋叩きにした。更に気を失っている狭男七に火をつけた。狭男七は燃え盛る炎の中で
「この村のある限り、おまえらを、祟ってやる……」
と恨みの言葉を吐いた。
狭男七が殺されたことを知ったお小夜は彼の後を追って自殺した。
 それから、黒崎の村では毎年怪しい火事が発生するようになった。太吉の家もどこからともなく聞こえる狭男七の叫び声と共に焼けてしまった。
 そこで村人は英彦山の山伏に頼んで祈祷をし、二人の塚を作った。そして、毎年八月の中秋の夜に祭礼を行ない漸くおさまったという。
(『福岡の民話 第二集 新版 日本の民話52』より)
 


【柳の木と娘】
岩手県の伝承
北上川畔の柳の根元で毎日洗濯をしている娘がいた。
 ある時、娘が選択に行ったきり帰って来ない。「川に落ちたのでは?」と家族が探したが、見つからない。
 三日後、あれほど探しても見つからなかった娘が、いつもの柳の枝葉に絡められたような恰好で気を失ったまま、立っていた。
 朦朧としていた意識が戻った娘が言うには
 その日、いつものように洗濯をしていると、川面にゆらゆら揺れる男の顔が映っていた。振り返ると美青年がそこにいた。すると、吸い込まれるように抱き寄せられ、そのまま気を失ったという。
 それから、何日かが経って、あれほど勢いよく青々と枝葉を茂らせて、川面に影を落としていた柳が枯れてしまったそうな。
(『東北の伝奇』より)


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では、さようなら