どうも! 青羽シナリオラボの上坂です!
前回に引き続き設定作りについて自分なりの考えを語っていきますね。
また世界観設定について!

ということで今回は、魅力ある世界観ってなんぞやって話をしようかと。
つらつらーっとだべる感じで書きますね。

まず魅力の定義なんですが、『人が興味を惹かれること』としましょう。
そんなん人によって千差万別やろ! という人もいるでしょう。ごもっともです。
今から自分が話すのは万あるうちのいくつかです。

千差万別あるから考えても仕方ないわけではないですからね。むしろ一つでも多く考えて自分なりの見解を増やすことが大事だと思います。
これからしばらくは一投稿につき、一世界観を紹介していこうかと思います。
タイトルも次回から『世界観編 その◯」的な感じに変えちゃいます。(たまに別の書くかも。間で)


1.人種差別のひどい世界

物語を作る上で大事なのは、『なんらかの不自由』だと言います。
人は本能的に誰しもが自由であるべきで、心安らかに過ごすことを至上の喜びとしています。
ゆえに『不自由なこと』に対し、快い想いを抱く人はいません。これは異常者でない限り、絶対の法則です。

※ここでいう異常者というのは、人が本能的に感じる全てを無くしている人のことを言います。
アブノーマル(サディストやマゾヒストなど)は対象ではありません。彼らにとっての不自由とは各々の性癖を解放できないことです。
つまりマゾヒストの場合は、不自由なことこそが自由であるということなのです。ほんと最強だと思う。

なので、人種差別というテーマは人々の興味を惹き続ける永遠のテーマの一つなのです。
パッと聞いて『不自由』だということを想起させられるので。

さて。
人種によって不当な生活を強いられている者を見て、観客が抱く感情は差別への嫌悪と、差別されている者達の解放です。
興味を持たれる物語の最低条件は、観客が応援できる物語かどうか。人種差別はその基準を見事に満たしているんです。

どうして差別されているのか、どのような差別をされているのか、差別からの解放を志す勇者的存在はいるのか、敵はどんなひどいやつらなのか、どれほどの規模の勢力なのか。
 
観客は差別されている人達を応援するために、多くのことを知ろうとします。
『ひどい』、『許せない』、『悔しい』、『なんとかしてあげたい』、『こうしたら良いんじゃないのか』。
そのような感情を巻き起こすような設定を絡めて用意してあげれば、観客は物語に夢中になってくれるでしょう。

ただこのテーマの一番難しいところは、深みのある物語を描くことが難しいことです。
散々描かれてきたテーマなので、生半可な作りだと既視感のあるものしか出来上がりません。

それゆえに抜きん出たものを作るためには、観客を物語の世界へとスマートに誘導出来るような繊細かつ大胆な導入はもちろん、緻密なシーン割りと、飽きさせないためのバリエーションに富んだ文章技法を散りばめる必要があります。
作者の技量がものを言うテーマとなるでしょう。
たくさんの人間ドラマを描いてきた人あるいは見てきた人でなければ、なかなか良いものを作ることは難しいと思います。
 
またセンシティブなテーマになるので、リアリティに欠けると即興ざめするテーマでもありますね。中途半端な知識で書くことは出来ないです。色んな人に怒られます。

今回はこんな感じですかね! 
人から興味を持たれやすいテーマである反面、内容に綻びが生じるとあっという間に反感を買ってしまうのが『人種差別のひどい世界』という世界観テーマになります。
扱う際は誠心誠意の気持ちで臨みましょう。