名著復活!「ワイルドヘルス:動物たちの自然健康法 - 野生の知恵に学ぶ」 | BunnyRabbit バニーラビット

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Wild Health: How animals keep themselves well and what we can learn from them (English Edition) Kindle版

 

 


商品の説明
 

内容(「BOOK」データベースより
昔から、動物は病気になったら自分でなおすという話は知られており、ヘビやクマなどから教わった植物を薬にしたという伝説が世界各地にある。病気のチンパンジーがある植物を食べて病気がなおったというニュースが世界に流れたのは、1989年のこと。そのころから、科学者による本格的な探求が始まり、「動物薬学」あるいは「動物の自己治療」とよばれる分野が誕生した。本書は、この分野についての世界で初めての書籍。胃腸障害、怪我、虫下しからストレス、感染症、老化・死まで、動物が自然の恵みをじつにうまく使いながら健康管理する方法を描き、文明食生活にどっぷりとひたる人間にも警鐘をならす。」(Amazon.co.jp)

 

 

 

『素晴らしい本というのは、読者にさらなる知的好奇心を与えてくれます』BR

 

 

 

動物たちの自然健康法 - 野生の知恵に学ぶ
 
野生の動物たちが、どのように自分の健康を保っているか知りたくありませんか? そんな疑問に答えてくれる、素晴らしい本があります。著名な霊長類学者のジェーン グドールも絶賛するこの本は、動物と接する人たちが一度は目にすべき内容に溢れています。野生の動物たちは、アニマル セルフ-メディケーション (Animal self-medication 動物の自己治療) することで自身の健康を保っています。この分野は、1990年代に研究が始まったばかりで、動物生薬学として世界で始めて体系的にまとめたものとして出版されたのがこの本です。野生の動物たちは、胃腸障害、怪我、虫下しからストレス、感染症、老化・死まで、自然の恵みをじつにうまく使いながら健康管理を自分で行なっています。私たちの私利私欲のお粗末な知識など、取るに足りないものとさえ思えるのです。さて、この本は絶版に近い状態だったのですが、2021年 Amazon で再リリースされたペーパーバックと再フォーマットされた KINDLE が入手できるようになりました。残念ながら、日本語訳は古本を探すしか方法がありません。

著者のシンディ (Cindy Reece Engel) さんは、自身のホームページで次のように述べています。

「現在、動物のセルフ-メディケーションに関する古典的なテキストであるこの本は、2001年に出版された動物生薬学の最初の本でした。動物が健康を維持するために使用する行動戦略を探ります。その多くは、私たちの世話をしている動物の健康を改善するために利用できます。野生の健康を観察することによって、私たちは自分の健康に利益をもたらす方法を発見(または再発見)することさえできます」

 

 

こうした本は、目次で内容がよく分かります。 紀伊國屋書店 2003年出版分より紹介します。

 

 

目次
 

はじめに


1部 野生の知恵
 第1章──野生動物の健康
  ・野生動物は健康なのか
  ・ほんとうの自然はどこに?
  ・健康調査がはじまった
  ・動物たちの「自己治療」に注目!
 第2章──自然界は薬の宝庫
  ・植物が身をまもるために
  ・まだまだある植物の知恵 
  ・植物の「毒」を利用する
  ・生薬は植物以外にも
 第3章──食物、薬、自己治療
  ・食物は薬?
  ・ベジタリアン ゴリラとハンターチンパンジー
  ・メニューを変える
  ・ミネラルを調達する動物たち
  ・ひなの頭骨や脚をもぎとった犯人は?
  ・塩をもとめて
  ・必要な栄養素を見つけるメカニズム
  ・毒物を摂りこむ昆虫
  ・栄養か自己治療か
 第4章──生き残りのための情報
  ・動物たちの予知能力
  ・ウマの言葉を解する男、盲目のヘビ
  ・兵士の命を救ったウマの知恵
  ・チンパンジーの「自己治療」を観察する


2部 健康の脅威
 第5章──毒物
  ・草食動物は植物毒を見分ける?!
  ・哺乳類のこどもは母親から毒を学ぶ
  ・毒性を下げるには
  ・土を食べて毒を消す
  ・危険をおかして洞穴を訪れるゾウ
  ・粘土に見つかった驚くべき薬効
  ・蟻塚の土は胃腸薬?!
  ・食べる土を選ぶ
  ・炭の毒消し効果
  ・人工的毒物を感知できる魚
 第6章──目に見えない敵
  ・病気の原因は病原菌だけではない
  ・チンパンジーはきれい好き
  ・共食いを避けるわけ
  ・「ひなたぼっこ」のわけ
  ・腸内細菌と病原菌
  ・免疫を強化する植物化合物
  ・感染症を予防し治療する動物たち
  ・O157 は抗生物質のつかいすぎが原因?
 第7章──怪我と骨折
  ・驚異の回復力
  ・事故にそなえて
  ・動物も痛みを感じる
  ・治療のために身を隠す
  ・唾液に治療物質を確認
  ・傷のなおりをよくする薬草
  ・砂糖水、泥浴び、ギブス
  ・病気の仲間の世話をする
  ・ヘビ毒とヘビ恐怖症
 第8章──刺す虫!
  ・「蠅叩き」と「水遁の術」
  ・相互グルーミングと掃除魚
  ・かゆみをおさえる塗り薬
  ・蟻浴、砂浴び、日光浴
  ・塩による手当と尿洗い
  ・巣をまもる─燻蒸消毒と強力な匂い
  ・毒をたくわえて虫を撃退
 第9章──渋る主と招かざる客
  ・野生動物には寄生虫が少ない
  ・虫下し植物
  ・タテガミオオカミの寄生虫対策
  ・葉を丸飲みにするチンパンジー
  ・冬眠や渡り前の虫下し作戦
  ・チンパンジーの「苦い薬」
  ・昆虫もまた
  ・土食いは寄生虫対策にも
 第10章──ハイになる
  ・酔っぱらい動物
  ・動物がアルコールを好むわけ
  ・幻覚植物と興奮剤
  ・トリップか治療か
  ・動物も中毒になるか
 第11章──精神病
  ・狂った行動にはわけがある
  ・あるチンパンジーの「狂気」
  ・ストレス状況下での対処法
  ・トラウマをはねのける
  ・飼育動物の神経症
 第12章──家族計画
  ・ヒツジを不妊にするクローバー
  ・繁殖は食用植物に依存する
  ・「バイアグラ キノコ」と妊娠中絶
  ・食物であかんぼうの性が変わる
  ・妊娠、出産、授乳期の食餌管理
 第13章──死との遭遇
  ・老齢を生きる
  ・老化を遅らせるには
  ・年寄りへの敬意
  ・ゾウの墓場
  ・ペンギンの墓場
  ・自殺 ・死にゆく仲間へのゾウの反応
  ・死骸を埋める
  ・死への恐れと悲しみ
 第14章──これまでにわかったこと
  ・作用範囲の広い戦術を組み合わせる
  ・予防は治療にまさる
  ・巨大な薬倉から適切な薬を選ぶ
 

3部 学ぶべき教訓
 第15章──飼育下の動物
  ・動物園の動物たちの健康管理は十分か
  ・自然に帰す試みが成功しない理由
  ・ネコが鉢植えの植物を食べるわけ
  ・ブロイラーの当世健康事情
  ・ウシとヒツジの健康管理
  ・うつ状態の畜産動物
 第16章──健康になろう
  ・現代人は「深刻な栄養失調」
  ・植物は「まるごと」食べることが肝心
  ・ヒヒの「カウチポテト」
  ・からだの要求に耳を傾ける

訳者あとがき
原注
動物名索引
植物名索引

 

 

 

引用文

 

野生の動物たちは、自分で必要な栄養素や治療薬を見つけることができます。しかし、自由に動けない飼育されている動物にはそれができません。そして、植物と動物の関係だけをみても、そんなに単純ではないことが分かります。毒が薬になったり、時間が経つと毒で食べれなくなったり、食べてもいい植物のある部分に毒があったりします。

少し引用してみましょう。

 


「第2章 自然界は薬の宝庫」より
(植物が身をまもるために……)より pp.29-30

「動物は緑色植物とちがって、生きていくのに必要な化学物質を自分ではほとんどつくれないので、生存に不可欠なものを直接間接に植物からもらわなくてはならない。つまり、動物の健康は植物の化学物質に大きく依存しているといえる。緑色植物は日光、大気、土壌中の水といった基本的な素材から炭水化物、タンパク質、脂質、ホルモン、ビタミン、酵素など、成長や傷の修復、繁殖などに必要なあらゆるものをつくりだす。通常の一次代謝のために生産する化学物質にくわえて、多くの植物は、あきらかな代謝目的のないいわゆる二次化合物を合成する。この二次化合物の注目すべき点は毒性と薬理性をそなえていることで、いうなれば、これらの二次化合物は自然界の巨大な薬倉を形成している。これまでにみつかった二次化合物はおよそ10万種類にのぼる。

植物はなぜこれらの物質をつくるのだろうか。排出できない老廃物が溜まっただけだという説もあるが、もっとひろく受けられている説では、これらの化合物は重要な防御物質だという。動物と同様に、植物も細菌、ウイルス、真菌類から身をまもらねばならない。多くの二次化合物はこれらの病原体にたいして強力な作用をもっている。植物は病気になると、人間の免疫反応にあたるとくべつな防御タンパク質をつくることができる。私たちの抗体と同様、このタンパク質は長期的な抵抗力をもたらすのである。

病気との闘いにくわえて、植物はさまざまな捕食者(草食性の昆虫や哺乳類や鳥類)から身をまもらなくてはならない。なにしろ捕食者にとって植物は文字通り動かぬ標的なのだ。このため、剛毛や突起、とげやいがなどの物理的、構造的な防御力だけでなく、摂食を防ぐ二次化合物も進化させてきた」

 

 

「第3章 植物、薬、自己治療」より
(食物は薬?)より pp.41

「動物をみていると、栄養をとる行動なのか治療のための行動なのかを区別するのがむずかしいことが多い。この区別自体が人為的なものだからだ。食物と薬は本来連続的なものであり、一端に、おもに燃料補給のために食べる高エネルギーの食物、他端に、おもに治療のために食べる生物活性の高い物質(ふつうは栄養がないと考えられる)がある。動物が野外で摂る食物の多くはこのあいだにあり、積極的な健康管理において今も重要な役割をはたしている。自然界で動物がなぜ元気なのかを知りたければ、彼らの食事をくわしく調べる必要がある」

 

 

「第3章 植物、薬、自己治療」より
(ベジタリアン•ゴリラとハンター•チンパンジー)より pp.42-44

「…………世界には2500万種の動物がいるとすれば、おそらく同じだけたくさんの食餌習性と消化器系がある。しかし動物の食餌にはある共通性がある。たとえばどの動物にも炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、水が必要である。動物が食べるものはその個体の環境に合っていなくてはならない。…………環境の変化に対応できるように、彼らの行動のレパートリーには大きな融通性が組み込まれている。

…………野生動物の食餌について詳細な知識が欠けているのはむりもない。野生動物を人間の観察者に慣らすには時間とエネルギーと忍耐が必要だし、彼らが食べるものをすべて記録するには膨大な経験と知識がいるからだ。植物の85パーセントは科学的に調査されていないので、草食動物の食餌の内容を完全に把握するのは現在のところ不可能である。食餌は動物の生涯のあいだに変化するので、長期研究をしなくては役に立つデータはえられない。実際、驚くようなことがいくらでもある。

…………21世紀初頭の今日なお、大部分の野生動物はよく飼われている種についてさえ、必要な食餌の全体像がわかっていない。農場動物やペットなど私たちにとって経済的、情緒的に重要な種については、必要な栄養要求や習性がずっとよく調べられている。しかしその場合ですら、飼育されている動物がなにをよろこぶか、食物がどれほど効率よく動物性「産物」に変わるかを知ろうとすると、私たちの知識はかぎられている。動物があるときはこの食物を選び、あるときはあの食物を選ぶのはなぜかといった単純な質問にさえ答えが出ていない…………手持ちのデータでは答えられないのだ」

 

 

「第3章 植物、薬、自己治療」より
(メニューを変える)より pp.44-45

栄養の知恵

「動物がどのように食餌を選ぶのかを研究しはじめた室内研究者が、バイキング•スタイルで食物を選ばせると、動物は栄養バランスのとれたメニューを選ぶことがすぐにわかった。栄養の知恵とよばれるこの能力は、食物の組成がたびたび変わったり、食物のある場所が変わったり、食物自体があったりなかったりする状況のもとで、野生動物がなんとか必要な栄養をみたす方法をさすのにつかわれる。
…………
動物たちはいろいろな食物のなかからバランスのとれたメニューを選んでいるだけではない。たえず自分の食餌を環境の変化に合わせて変えており、ときには変化の前に変えている。…………適切な食餌を選ぶことは、単に正しい栄養を摂ることよりよほど複雑であることはまちがいない」

 

 

「第4章 生き残りのための情報」より
(兵士の命を救ったウマの知恵)より pp.70

現代の薬草学者モーリス•メセゲは父にこう教えられた。

「しっかり見て学びなさい。この動物たちは私たちよりよほどよく知っている。彼らはどれが自分にとっていい植物でどれが悪い草かを知っている。なにを食べたらいいか、どうすれば自分を大事にできるかを知っている」

 

 

[脚注]
・アニマル セルフ-メディケーション Animal self-medication 動物の自己治療
・ズーファーマコグノシー Zoopharmacognosy 動物生薬学 (Zoopharmacognosy 語源はギリシャ語です。「zoo」→動物「pharma」→薬「cognosy」→認識する事、知る事)

 

 

 

購入ガイド
 
英語版 (English Edition) は、Amazon.co.jp で購入できます

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⚫︎ Cindy Engel シンディ エンジェル

 

⚫︎ Acknowledging the potential role of animal self-medication 動物のセルフメディケーションの潜在的な役割の認知 - ResearchGate

 

⚫︎ Zoopharmacognosy 動物生薬学 - Wikipedia

 

⚫︎ [PDF] PRIMATES, PLANTS, AND PARASITES: THE EVOLUTION OF ANIMAL SELF-MEDICATION AND ETHNOMEDICINE 霊長類、植物、および寄生虫: 動物のセルフメディケーションと民族医学の進化 - UNESCO-EOLSS

 

⚫︎ 動物の行動からヒトの健康を学ぶ『動物たちの自然健康法』おすすめ本 - 整体院 関西カイロプラクティック

 

⚫︎ Animal self-medication and ethno-medicine: exploration and exploitation of the medicinal properties of plants 動物のセルフメディケーションと民族医学: 植物の薬効成分の調査と活用 - Cambridge University Press

 

⚫︎ Meet the Animals That Self-Medicate セルフメディケーションを行う動物に会う - Discover Magazine

 

⚫︎ Animals that self-medicate セルフメディケーションをする動物 - PNAS (Proceedings of the National Academy of Science)

 

⚫︎ Zoopharmacognosy : The Self-Medication Behavior of Animals | Zoopharmacognosy : 動物のセルフメディケーション行動 - PASHUDHAN PRAHAREE

 

⚫︎ Zoopharmacognosy: how self-healing animals could save humans 動物薬学:自己治癒力のある動物が人間を救う方法 - Mongabay

 

⚫︎ Zoopharmacognosy 動物薬学 - ResearchGate

 

⚫︎ Zoopharmacognosy: the use of medicinal plants by animals 動物薬学:動物による薬用植物の使用 - Semantic Scholar

 

⚫︎ How Wild Animals Self-Medicate 野生動物のセルフメディケーション方法 - JSTOR Daily