昨日の国民栄誉賞に関t連してオリンピックシーズンのインタビューでスケーティングコーチだったトレーシーが語ったとても重みのある言葉をお届けしたい
ユヅルの内面にある 渇望
トレーシーウィルソン
常に彼の頭にあるのは
どうしたらもっと向上できるかということです
確信や自信があり
非常に強いビジョンをもっていますが
それでも変わらぬ渇望を
持ち続けています。
若い時には
人は自分を証明したいもので
よくそういう渇望をみせるのですが
彼はこれまで何度も
私たちに証明してきているのに
それでもま
だ証明したい気持ちを捨てません。
そうして渇望は
彼の性格に由来していて
さらに大きくなっています。
(それは)
自分のためだけではないと
私は感じています。
つまり自分が何かを達成したい
というだけでなく
ファンやスケート界のためになりたい
という気持ちがあり
その2つの間の
バランスの上に
渇望があります。
これはみんなが
高く評価するところです。
2015年4月18日(土)
「自分はありのままでいたい」
羽生結弦(ANA)の話を聞いていると、
彼がまだ20歳の若者であることを
忘れてしまうときがある。
大勢の記者が集まる公式の場で、
自らの意見を理路整然と述べる。
「自分はありのままでいたいと思っています」。
彼はそう語る。
今話したいこと、話すべきこと、
話すべきではないことを判断し
言葉を発する。
変に身構えたりはしない。
五輪王者となり、
自分の言葉がどれだけの影響力があるかは
分かっているはずだが、そのスタンスは以前と変わらない。
自分に厳しく、他人には優しい
ただ純粋に強くなることだけを目指してきた少年は、
10代のうちに五輪や世界選手権といった
あらゆるタイトルを総なめにした。
気づけば前を走る選手は誰もいなくなり、
20代に入ってからは
追われる日々が続いている。
トップランナーとしての責任感。
さらには頂点にいる孤独感。
彼は自身の胸の内にうずまいている
こうした感情をモチベーションに変え、
今もひたむきに強くなることを求めている。
過去の栄冠は関係ない。
五輪王者だろうが、世界王者だろうが、
その一瞬が終わってしまえば、
また新しい1日が始まるのだから。
彼が口癖のように語る言葉がある。
「今日は今日、明日は明日で
成功に対して浮かれることはない。
失敗した場合は、
それを繰り返さないようにたゆまぬ努力をする。
そしてその悔しさを忘れずに、
次へのエネルギーとする。
満足いく演技ができなかったからと言って、
五輪で金メダルを取りながら
「悔しい」と発言する選手はなかなかいない。
卓越したスケートのスキルに加え、
プレッシャーを力に変える強さ、
有言実行。
普段から感じるのはその“人間力”の高さだ。
自分に厳しく、他人には優しい。
それはたくさんの試練を乗り越えてきたからこそ
培うことができたものなのだろう。
(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)
https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201504180001-spnavi?p=1
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