未来の希望をつかもうとする演技が印象的だった『ダニーボーイ』。

客席に多くの涙が見えた。      (中谷ひろみ) ~婦人画報デジタル~

 

notte stellata

 

昨夜のノッテ舞台裏特集は本当に質の高い番組でTV放送の

可能性と希望を感じました。魂を吹き込んだ美しくカッコいい演技が

地上波放送されて本当にうれしい。しかし昨日の放送は関東地区のみで

宮城は5月に放送予定だそうだ。なんてもったいない事か。
全国放送を強く要望したい。

 

さて今年も婦人画報がnotte stellataを取り上げてくれた。

ライターはずっと中谷ひろみさん.

競技時代もたくさんの心に残る記事がありロシアの女性カメラマンの話等

忘れられない記事ばかりだ

プロになってもこうして書き続けるライターの存在は本当に貴重で

大切に読ませて頂きたいと思う

後半は入り切れず引用していないが、羽生選手への思い等も綴られており

是非アクセスして全文お読みください

東日本大震災から13年。

羽生結弦が“希望の光”を届けるアイスショー

notte stellata
 
照明の落ちた会場に、満員の観客6100人が持つライトが輝き出すと、まさに満天の星空となった。

「皆さんが星空のように見えてすごくきれいでした。皆さんひとりひとりの光を感じながら、皆さんがちゃんと光なんだよ、本当にきれいだよ、と感じながら滑らせていただきました」そんな言葉を裏付けるように、光の星が降るなかで「nott stellata」を演じる彼の表情は柔らかかった。天に伸ばした手が掴もうとしているのは、救いではなく「希望の光」なのだ、と感じるほどに。

昨年は、3月11日にも公演があった.この日、このアリーナに立つことは、彼にとって大きな負担だっただろう。氷上で涙を流し、辛い記憶にとらわれながら滑っていたという。「でもそのなかで皆さんから希望とか勇気とか元気とか、いろんなものをいただけたショーでした。今回は僕があのときもらったものをもっと返したいなって、もっと希望を届けたいなって。(中略)そういった意味では、コンセプトが全く変わったショーになったのかなという気持ちではいます」

 

会場を熱狂させた大地真央とのコラボレーション

notte stellata
圧巻のコラボレーション「Carmina Burana(カルミナ・ブラーナ)」。フィギュアスケートの可能性を広げ、新たな芸術を生み出した。

羽生結弦だからこそできる希望の発信。それを実感したのが、スペシャルゲストに迎えた大地真央との豪華コラボレーションだ。強烈なリズムとエネルギーに満ちた楽曲「Carmina Burana(カルミナ・ブラーナ)」が流れると、大歓声とともに一気に会場のボルテージが上がった。

日本を代表する俳優であり、トップスターである大地真央が演じるのは、世界を支配する運命の女神。羽生結弦演じる青年は、彼女に操られ、抗い、最終的にはその運命を受け入れる。「僕はこのストーリーのなかに、人間の力ではどうしようもない災害だったり、苦しみを、なんかそういう苦しみを感じたとしても、そこに抗いながらも、それを受け入れて進んでいくんだっていう強いメッセージみたいなものを込めたいなと思いながら滑ってはいます」

 

運命に翻弄されても、必ずや希望は見つかる。

被災地からこの力強いメッセージを発信できるのは、羽生結弦ならではと思う。

ステージとリンクに離れていながら、完璧にシンクロするふたり。

羽生結弦を操るという役どころは、大地真央という圧倒的な存在感がなければ

成立しなかっただろう。

すさまじいオーラの競演に息を呑む。

舞台の振り付けを取り入れた大胆で新鮮な動き、完璧なる音ハメのトリプルアクセル。

何かすごいことが起きていると気づいた観客の熱狂が広がっていく。

そう、私たちが目にしているのは「羽生結弦」という新たな芸術だった。

 

あの日を忘れない。
そのために羽生結弦ができること

今回の公演には、国内外のトップスケーターたちも参加。

昨年と同じ顔ぶれに盟友ハビエル・フェルナンデスも加わり、

それぞれの演技に希望のメッセージを託した。

 

羽生がソロの演技に選んだ「ダニーボーイ」は、

かつてフェルナンデスも演じたことがある曲だ。

戦地に赴いた我が子に、たとえこの身が消えても

いつまでも待ち続けると語りかける歌詞に、思いを重ねる人も多いだろう。

 

羽生がこの新プログラムに込めたものは祈りと願いだという。

「過去の希望であったり、記憶のなかのいい思い出、

記憶のなかの何か大切なもの。だけど、それだけに囚われるのではなく、

未来への希望へ願いを込めて。

それが消えないように、皆さんに届くように、

そんな思いを込めて滑らせていただきました」

 

 

思わず、涙がこぼれた。

悲しみや辛さを抱きながらも顔を上げ、

手を伸ばした先に光が見えたから。

これは、未来の希望に捧げる祈りの舞なのだ。

 

フィナーレは昨年同様、MISIAの「希望のうた」。

全スケーターと出演者が登場し、観客のライトは色とりどりの星となった。

それは「誰にも奪えない、誰にも渡さない」希望の星。

美しく揺れる光の数より、もっと多くの人々の希望がそこにあった。

 

 

 

 

 

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この本気度が羽生結弦の強さの秘密なんだ