羽生結弦の「RealFace」 より

 

水が秘める魔力    太田龍子

 

羽生が浴びた紙コップの水は、

額から鼻梁を、頬をつたって散るそのわずかな間に

爆発的な化学変化を引き起こした。

 

転がり、弾けながら命あるもののように煌めき、

飛び散って羽生の表情を飾り、

滴り落ちて氷に同化し、蹴られ、砕けて消滅する。

 

それだけなのに多くの観客はそこに

曰く言い難い魅力と意味を見出してしまう。

 

羽生のコップから散った水は循環する永遠の片鱗なのだ。
 

 

 17歳の冬、怒りと情熱を爆発させていたロミオの頃も、

美しく調教されていながら

競技者の枠には収まり切れないパフォーマーだった羽生。

 

27歳の夏、彼は自らの野生さえ自在に操る

途方もない表現者へと進化した。

 

水が秘める魔力を増幅させ、

細胞の奥底に潜んだ古い記憶を揺さぶり、

人をリアルな妄想へと駆り立てる羽生結弦。

 

そのカリスマにはますます磨きがかかっていくのだろう。

 

全文

 

PCSのルール変更について前回概要をお知らせしたが

もう少し整理し考察したいと思う

Performance(パフォーマンス)から

Presentation(プレゼンテーション)へ

名称変更の訳を探る

 

 新PCS  トランジション(つなぎ)とインタープリテーション(音楽の解釈)を削除

1.Skating Skills(スケーティングスキル)

2.Presentation(プレゼンテーション)パフォーマンスから名称変更

3.Composition(コンポジション)

楽譜とアレンジ花の写真素材 [145455557] - イメージマート

PCS新カテゴリー「プレゼンテーション」は

PE(パフォーマンス)と削除されたIN(音楽の解釈)の

合併と捉えて良いのだろうか

報道ではPR=PE+INみたいになっているが。

 

PEもINも共にフィギュアスケートの本質的なものであり

これらをひとくくりにするというのは信じがたいことだ

プレゼンテーションの内容はこう書かれている

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Presentation(プレゼンテーション)
スケーターを通じて、作曲と音楽の理解が達成されます。
プレゼンテーションを評価する際には、次のことを考慮する必要があります。


表現の映し出し
エネルギーと振り付けの多様性とコントラスト
音楽の感度とタイミング

 

ここで何故「振り付け」という言葉が出てくる??

振り受けはコンポジションなのに

全体的に何とも抽象的な説明である

 

旧ルールではパフォーマンスについて評価の対象を

具体的に丁寧に示していた

Performance(パフォーマンス)★旧ルール

体の動き、感情の表現知性の表出、投射
独特性/個性
身のこなしと動きの明瞭さ

 

このように芸術性も求められるフィギュアの演技力について

大切な内容が書かれていたが

PE と INを合併したことで

これらの文言は消え

どちらの内容も薄められた印象が残る

特に「感情の表現」や「個性」が明記されないのは

哀しいことだ

結局ジャッジの皆さんが

パフォーマンスと音楽の解釈の内容を充分に理解され

それが採点に反映することを願うばかりである

 

みんなが撮影した紫陽花(アジサイ)の写真 | GANREF

フィギュアスケートに
プレゼンテーションの違和感も
提案者としてはパフォーマンスに音楽の解釈を含めたことを
強調したいのだろうが言葉のニュアンスとして
身体による芸術的な表現をおこなうフィギュア二ビジネス用語の
イメージは似合わないと思ってしまう
とにかく名前は変わっても
パフォーマンスの概念を大事にしたいものだ

 

toyomichi on Twitter: "ユーリオンアイスに出てきた飯塚アイスパレスの衝撃www シェイリーンが奇跡のレッスンwwww  #スケオタ忘年会 #yurionice #飯塚アイスパレス https://t.co/woONz5mrOm" / Twitter

 

パフォーマンスとは身体を使って表現することだ

そこでは感情の表現や個性やオリジナリティーが
大切にされてきた
以前NHK BSの奇跡のレッスンで
シェイリーンボーンが講師となり
フィギュアスケートを学ぶ子供たちを指導した番組が
素晴らしかった
その中で生徒たちが苦手としたのが
感情の表現だったのだ
それこそ大切な課題だとシェイリーンは
生徒たちの心を解放させたり物語を考えさせたり
とても情熱的なレッスンを見せてくれた
そのとき
「感情の表現」がどれだけ素敵なことか
再認識させられたものだった
 
ところがそういった具体的な言葉が消えて
「表現の映し出し」という抽象的な言葉に変わった。
個性と多様性はニュアンスが違う気がするが
「個性」が消え
エネルギーと振り付けの多様性という
ややこしい言葉に置き換わっている

曖昧に感じる

コンポジションとプレゼンテーションの
概念の違いも明確にすべきだ
 

 

 

[つなぎ(トランジション)]はどこへ?

 

コンポジションにひっそりと記されただけだ

なんてことだろう

高山真さんが天国でショックを受けられているのではと心が痛む

 

Composition(コンポジション)
スケート技術のあらゆる種類の動きを、プロポーション、統一性、空間、パターン、および音楽的構造の原則に従って意図的に開発および/または独自に配置して意味のある全体にしたもの。構成を評価する際には、次のことを考慮する必要があります

統一性

要素間および要素内のつながり🌹一応ここにあるが影が薄いなあ
パターン/氷面全体の活用
多彩な動きと空間の使用
音楽のフレーズと形を反映した振り付け