Rules revision
ルールはすでに変わっている。
7月1日よりフィギュアスケートは新たなシーズンに入っている。
つまりルールもすでに変わってしまったのだ。
それでも過去のデータを見る時は知っておく必要があるので
先日「ステップのGOEには係数0.7がかかっていた」ことを
お伝えしました。
今回大幅な変更があったが結構複雑であり
メディアも極めて雑にしか伝えきっていない。
そこでメディアは丁寧に教えてくれないが実は大事なことを
連載でお伝えしたいと思う。
スッキリ?
さてフィギュアスケートのルールがややこしいのはソルトレイク五輪後
ルール作成に関わったのが現ISU副会長のラケールニク氏であり
彼が数学者だからだ。
しかし今回少しだけすっきり?したことがある
それはややこしかった係数がなくなったこと。
ジャンプは3回転も4回転も同じ考え方で計算できるようになったのだ
(基礎点の10%増減)
でも得点はそんなに変わらないように工夫されているようだ
これまではたとえ羽生選手がスピンやステップでGOE3をとっても
採点表プロトコルにのっているのは3ではなかった
●ステップならGOE2.1が満点で
●スピンならGOE1.5 が満点だった。
そのわけは ステップは係数0.7
スピンは係数0.5だったから。
新ルールの採点表プロトコルはどんな形式になるのだろうか
またジャンプにも係数があった。
それを表したのが下の表だ。
この表はもう不要となったが
過去のデータを見る時には必要なので残しておこう。
旧ルール(五輪シーズンまで使用された)お疲れ様!
4回転ジャンプと3AはGOE3が満点だったが
3A以外の3回転はGOE 2.1が満点だった。
係数0.7がかかっていたからだ
さらにややこしかったのは
マイナスだと異なる計算法だったことで
4回転で転倒すると―3ではなくー4と高いリスクがかけられた。
(実際はこれからまた―1がついた)
でも3Aはー3のままというふうに上の表に記載されている通りだった。
一言でいえばハイリスクハイリターンの4回転だった。
(改正によりハイリスクハイリターンの傾向はさらに強まるが)
いずれにせよこれからはコレオシークエンスは基礎点が3で
GOEは 0.5点ずつ増減するが
ジャンプとステップは
基礎点の10%の増減で採点される→スッキリ
ジャンプ基礎点の変化と下げ幅のちがい
3A 8.5→8.0 (-0.5)
4T 10.3→9.5 (-0.8)
4S 10.5→9.7 (-0.8)
4Lo 12→ 10.5 (-1.5)
4F 12.3→11 (-1.3) ・・・4Loとの差が広がった
4Lz 13.6→11.5 (-2.1)・・・・4Fとの差が縮まった
4 A 15→12.5 (-2.5)・・・・下げ幅最高値
1段階ごとに
「基礎点の10%を増減する」←ココが変わった
どんなジャンプもこの方法で計算するので係数は不要になる
しかし3回転やステップなどは基礎点そのものが低いので
得点には大きな変化はないと思う
スピンは計算法が異なる
- 4.00-3.2 -2.4 -1.6-0.8 3A8.00 +0.8 +1.6 +2.4 +3.2 +4.00
-4.75-3.80-2.85-1.90-0.95 4T9.50 +0.95+1.90+2.85+3.80 +4.75
-4.85-3.88-2.91-1.94 -0.974S 9.70 +0.97 +1.94 +2.91+3.88+4.85
-5.25-4.2-3.15-2.1-1.05 4Lo10.5 +1.05 +2.1 +3.15 +4.2 +5.25
-5.50-4.40-3.30-2,20-1.10 4F 11.0 +1.10+2.20+3.30+4.40+5.50
-5.75-4.60-3.45-2.30-1.154Lz11.5 +1.15+2.30+3.45+4.60+5.75
-6.25-5.00-3.75-2.50-1.254A 12.5 +1.25 +2.50 +3.75+5.00+6.25
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GOEは
7段階から11段階へ
-5-4-3-2-1 0 +1 +2 +3 +4 +5
羽生選手が平昌五輪でGOE満点を取った
4T/4S/3Aは
新ルールでGOE5を取るとどうなるか検証してみよう
平昌データ(旧ルール)
4S 10.5+3=13.5
4T 10.3+3=13.3
3A(後半)9.35+3=12.35
新ルールでGOE5だと
4S 9.7+4.85=14.55↑
9.7×1.5=14.55
4T 9.5+4.75=14.25↑
9.5×1.5=14.25
3A(前半)8.0+4.0=12↓
8.0×1.5=12
3A(後半)8.8+4.0=12.8↑
なぜ前半の3Aが下がるかお分かりだろうか?
羽生選手はトロントに渡ったシーズンから
3Aはすべて後半で跳んできた
つまり羽生選手の3Aの基礎点は常に1.1倍だったのだ。
ところが新ルールでは
1.1倍はラスト1本だけなので
3Aを後半に入れるかどうかはわからない。
コンビネーションを入れる可能性も大きい
世界一の後半3Aを跳ぶ羽生選手の武器に待ったをかけたのは
新ルールだ。 SP後半で1.1倍になるジャンプはラスト1本のみとなった
提案したのは日本 この改正の発端は
ザギトワ選手の偏った構成が批判を浴びたからだが
SPについては前半1本・後半2本が偏っているとは思えない。
バラード1番の構成は素晴らしいものだった。とても残念だ。
世界初満点のシットスピン
CSSp (足替えシットスピン)
3333333世界初の満点!
2017オータムクラシックのシットスピンはジャッジ全員が3をつけた
旧ルールではスピンは係数0.5 だったのでGOE1.5 点満点
基礎点が3だったので4.5点を獲得した。
過去4回転ジャンプGOE例
羽生選手の場合(平昌フリー)
今回はプラスの場合だけを取り上げたが
また後日ジャンプで転倒するとどうなるかを
データをもとに検証したい
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