☆☆スケーターの 絆 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・  2016.3.6

羽生選手には憧れのスケーターが二人いた。
強いプルシェンコと流れるようなスケーティングに表現力のジョニーウィアー。
東日本大震災が起きた時、海の向こうで日本のことを心配し
「スケートをやめないで」と
ツィッターで呟いたスケーターがいた。
それはなんと憧れのジョニー・ウィア-その人だった。

羽生選手がジョニーの演技を初めて生で見たのは
アイスショー・ドリームオンアイス。
「憧れのジョニーの演技を生で見れた!しかも同じショーに出られた!」
と夢のようなできごとを喜んだものだった。

そんな二人が震災の4か月後のアイスショーで共演し対談が実現した。
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Q-最初にお互いのスケーティングを見たときの第一印象を聞かせてください

★羽生「ジョニーの”秋に寄せて”がとても印象に残ってるんです。
自分が目指すスケートにぴったりとハマッタ、というのでしょうか。」

☆ジョニー「僕が初めてユヅルを知ったのは
世界ジュニア選手権の映像をYouTubeで見たときです。
当時の彼は14歳なのに
自分のスタイルを持っていたので驚きました。
あの年齢にしてすでにアーティストでした。」

Q東日本震災後にすぐに長いメッセージをくださいましたが
羽生選手の被災者のひとりでした。そのことについて語って頂けますか。

☆ジョニー「震災のニュースを聞いたとき
すぐに彼のことを思ったし、仙台は
彼が住んでいる場所だとわかっていました。
だからいろんな人たちにコンタクトをとって
彼が生きているとわかった時は本当にホッとしました。

自分はニューヨークで快適な椅子に座っているのに
入ってくる映像はシュールリアルで信じられなかった。
世界中の人たちと同じようにショックを受けました。
僕は普段教会に行かないのですが
震災から毎日、教会に通って祈りました。

ユヅルはまだ若いのにこんな目に会うなんて
本当に大変だったと思う。
でも彼が生き延びたということは
意味のあることとわかってほしいです
彼は何か重大なことをやり遂げるために、
この世に残されたに違いないのだから。

それに彼に対してですが被災者のみなさんには
本当に心を痛めています。でもこんな悲劇から
立ち直ってより強くなる国があるとしたら
それは日本を置いて他にありません。

★羽生「全てを失った人が身近にいて、
それはとてもつらいことです。
でもこれを乗り越えていかないと
強くなれないんだなと思いました。
だからスケーターとしてだけでなく
人間として強くなりたいと思っています。」

☆ジョニー「人間としての成長がなければ、
スケーターとして成長できません。
でも今回の震災の被害に合った仙台という土地で育った人間として
世界中にどれほど強く美しくカムバックすることができるかを
知らしめるというより強い理由ができたのではないでしょうか。」

Q「今のような大変な時期にフィギュアスケートが果たせる
役割と言うものについて聞かせてください。」

☆ジョニー「大勢のファンたちが震災で
生活に影響があったと訴えかけてきました。
僕にできることは氷上で最高のものを見せて、
こんな時だからみんなの心に訴えかける
すべりを見せることだと思っています。」

★羽生「僕はシングルスケーターなので
トレーニングもひとりだし、
また試合も一人で出るわけですが、
こうしてアイスショーのためにみんなが集まって
一緒にやる共同作業というのは、
とても新鮮なわけです。

それと同じように、
日本も本当は日本と言う国だけでなく、
世界のほかの国と協力し合っていることを
実感できたらいいなと思っています。」

~「ワールドフィギュアスケートNo,49」より~
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ジョニーの対応は速かった。その心のこもった言葉にはっとする。
そうだったあの時世界中の人々が
日本の悲劇に心を痛めサポートしてくれた。
「世界の国と協力しあっていることを実感できたらいいな」
なるほど自分の体験と重ね合わせて考えられる頼もしい16歳だ。

★「自分のスタイルをもっている・14歳にしてアーティスト」!
そういえば羽生選手の音楽を聞き取る能力もジョニーは見抜いていた。

この後羽生選手はアイスショーでジョニーと共演の機会があり
彼の指先まで神経の通った表現力をぐんぐん吸収していく。

一方ジョニーは引退し解説者としても活躍している。
NHK杯の羽生選手の演技を高く評価していた。
またジョニーは若い選手たちにとても大事にする。
そのわけは自分が若いとき煙たがられたからだそうだ。
TVでさらっと話していた。優しい先輩だ。
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★「最近のジョニーはアスリートと言うより完全に芸術家。
ジョニーにはジョニーだけの世界があって
それを彼は完全に極めてるんです。
僕は以前の試合で戦っていたジョニーも好きだけれど、
今のこの路線で突っ走るジョニーのこともすごく尊敬してます。」(17歳の羽生選手)

羽生選手はプルシェンコとジョニーを足して2で割ったようなスケーターになりたいと
以前語っていた。彼には、アスリートとアーティスト凄いお手本がいる。

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☆Pray for Japan

ジョニーの祈りと二人のスケーターの絆に心を寄せてくださった
たくさんの方の想いにとても感動しています。
読んでくださってありがとうございました。
思えば5年前世界中の人が祈りを捧げ支援に立ち上がってくれましたね。
ジョニーの愛のツィートの話もずっと忘れず語り継いでいきたいです。