twinkle rose ~妖精さんのお仕事③~(出張しまっせ編)前編 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

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気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります

ガチャ・・・




「・・・・・・、はぁ・・・」





俺は今、大阪にいる




だってついさっきまでジャニーズWESTの子達をゲストに迎えた
毎年恒例のイベントをしていたから・・・


でも・・正直言って俺の心は晴れない


だって・・だって・・さ、
やっぱりあの人はこんな時でもあの人の傍にいて
兄さん同士2人にしか分からない
アイコンタクトなんかを取りあっていたりしたから・・





「ふん、なんだよ・・
 俺にはこんな数行のメールだけでさ・・
 俺がこんなメールで喜ぶとでも思ってんのかね?
 いつまで俺を子ども扱いしてんだか・・・」




そう俺はこの部屋に誰も居ない事を良い事に
ずっと胸の中に引っ掛かっていた事を言葉にしたんだ



バサッ!!



おれはイベントが終わった後にWESTの子達から貰った
33本の薔薇の花束を乱雑にテーブルの上に置くと
そのままスマホの画面をタッチし昨日届いたメールを確認した




「・・・・・・・・・」



仲のいい友達や先輩、後輩達から届いたたくさんのメール
そしてその中には翔さんや潤くんから届いたメールはもちろん
毎年恒例、相葉さんの「おめでたまきん」のメールもあった・・・
そしてそれらのメールに紛れて存在している貴方からのメールがある

でも俺はそのメールを読んだ時何故だかとても悲しくなってしまったんだ
だっていつもなら日付が変わった一番にメールをくれるのに
今回はいつまでたっても届かなくて、やっと届いたと思ったら
たった2行のメールだったから



「バカ・・なんでこんな社交辞令的なメールなの?
 いつもならもっとびっくりマークがたくさん入ったメールなのに・・」



ついこの間まで社長役をやってたからまだその役が抜けないのかな?
それとももう次の忍者役に感情入っていて
スマホの打ち方とか忘れちゃった?




「・・・・・・もう知らないッ!」




俺は貴方から届いたメールの画面を開けたまま
近くにあったソファーへゴロンと横になる

そして手の中にあるそのメッセージを消す事も出来ずに
何度も何度も読み返しては小さなため息を吐いていたんだ



*:..。o・:,。*:..。☆キラキラ

キラキラ・・・




     「よっこいしょ・・・っと・・、あぁ痛かった・・・
      もうちょっと優しく置いてくれんと痛いやんか・・」




「・・・・・・・」




     「それにため息ばっかりついてると幸せもにげまっせ?
      なぁお兄さん・・僕の話聞こえてる?」



「・・・・・煩いなぁ~」




     「うわ・・・せっかく出張してきたのに、そんな言い方ないやん?
      つれないわ~僕泣くで?」




「・・・・・・???え?え?
 俺一体誰と喋ってるの?」



     「へっ!?いまさら何言うてんの?
      嘘やん!?まだ気が付いてなかったとか言う?」




「・・・・誰?」



     「此処やん!!ここ!ここ!!
      ほらこっち見てよ?さっきバサッってテーブルの上に置いたやんか!」




「え?あ・・うそ・・
 もしかして・・薔薇の・・花?」





     「そうそう!ほんまに痛かったんやから~
      たくさんの人の想いが籠った花は大切に扱わなあかんよ~?」




「・・・・・・・、はい~?」








そう言いながら俺は急いで自分の周りを見回してみる
するとさっきテーブルの上に置いたバラの花束の直ぐ近くで
チョコンと体育座りをしている男の子の姿が見えた




「え?あ・・・、えええっ!!?」




     「やっと気が付いてくれたんや!ありがとお兄さん!
      これでやっと僕もお仕事できるわ~♪あ~よかったよかった(笑)」



「あ~良かった良かった・・・じゃねーよ!
 お前いったい何?これってまさかドッキリ?」




     「はい~?ドッキリって・・何それ?
      クックック・・・お兄さんってほんまにおもろい人やな~」



「・・・??ドッキリじゃない?
 しかも・・関西弁?って一体どう言う事?俺夢でも見てるのかな?」




俺はきっと疲れているんだと思って両目をゴシゴシと
着ていた服の袖でこすってみる
でももう一度目を開けた先にもその男の子は存在していて
これは夢ではなく現実だということが分かったんだ




???
「え?え~~っと・・・結局君は誰?」




     「あ、そっか・・自己紹介がまだやったわ!
      そりゃ僕が何ゆうてもわからへんわ・・ごめんごめん」



「・・・・・・・・・」




そう言った男の子はそれまで座っていた場所でスックと立ち上がり
青い服の裾をヒラヒラと靡かせながらぺこりと頭を下げてくれたんだ

その子の身長はおよそ5センチくらいだろうか?
優しい雰囲気を纏いフニャリと笑った顔が何となくあの人に似ていて
背中に生えている薄い羽も部屋の照明にキラキラと輝いていてとても綺麗だった




     「初めまして、僕は薔薇の妖精です
      貴方の望みを叶えるためにここまでやって着ました」



「俺の・・望み?」




     「はい、この花びらが全て落ちるまでは
      何度でもその望みを兼ねることが出来ます
      まぁ、多少の制約はありますが・・・」



「ちなみにその制約って・・何?」



     「ちょ・・ッちょっと待って?あぁ・・やっぱり標準語は難しいわ・・
      僕関西生まれの関西育ちやから関西弁で話してもええ?
      一応マニュアルでは”説明する時は標準語で”ってなってるんやけど
      久しぶりの仕事やから口がなかなかまわらへんねん・・・」




「え?あぁ・・(笑)別にいいよ?ふふっ・・
 俺達も関西出身の関ジャニとかさっきまで一緒に居たWESTとかと
 たくさん話してるから大阪弁は聞き慣れてるし、何も問題ない・・・けど・・・
 って俺普通に話してるし!?」



      「あはははっ!ごめんごめん、あ・・さっきの続きね?
       えっと”死んだ人を生き返らせる”・・とか
       ”好きでもない人を無理やり好きにさせる”・・とか
       ようは倫理的に”それはあかんやろ~”っていう以外は基本オッケーやねん」



「うんうん・・成る程・・・」



      「・・・で、何か叶えたい望みはあるん?」




「・・・・・・・・・・・・」





俺はテーブルの上にいるその男の子をジッと見つめながら
今言われた事をじっくりと考えてみた・・・

どうやらこの子の言う事は嘘ではないらしい
ドッキリでもないし、ましてや夢を見ているわけでもなさそうだ・・




「う~~ん、ちょっと待ってね?」



     「は~い」



「・・・・・・・・・」




そう返事をするとその男の子はまた
テーブルの上でチョコンと体育座りをした

俺はその子にいったん背を向けると
そのまま自分もソファーの上に体育座りをして考えたんだ・・



「う~~ん・・・」



要は倫理に反していなければ何を望んでもいいって事だよね
よし・・・じゃぁ試しに1つお願いしてみようかな?



「ねぇ・・」



    「は~い」



「取り敢えず一個試したいんだけど・・いい?」



     「どうぞ!いつでもええよ」



「じゃぁ・・ね・・・、パズドラでレアキャラ全部頂戴?」



     「・・・・・、ゲームね・・。はいよ」



「・・・・・・・・・・・」



そう言うとその男の子はもう一度その場に立ちあがり
手に持っていたつをクルクルと回すと俺の方に向かって
「えいっ♪」って言ったんだ・・







。。。。。。。。。




ー 数分後 ー



~♪


~♪





うわっ!やった!!超レアキャラじゃん!!スッゲー
 これって本当になかなか手に入らないって有名なキャラなんだよ~」




     「んふふっ」



「うわっ!またレアキャラだ・・
 しかも強え~~っ!」





     「どう?僕の事信じてくれた?」




「うんうん・・・マジスッゲーよ!




     「・・・・って兄さん兄さん・・・」




「ん?何?今忙しんだけど・・・」



     「あのさ・・ゲーム以外に叶えたいことはないの?
      僕せっかく出てきたのに・・・これだけって・・・ちょっと・・・」




「え?あ・・そっか・・・」



     「じゃ、次の叶えたいことが決まったら教えてな?
      それまで僕寝てるから・・・」



「分かった・・・」




テーブルの上で暇そうにしていたその男の子は
俺にそう言うとパッとその場から姿を消した


俺はもう直ぐ倒れそうな敵キャラを掌の中で見つめながら
次の叶えたい事を頭のまた隅で考え続けていたんだ・・・




「ふぅ・・・」




それは大好きなあの人の事だった
でも・・今頃あの人は俺とは違う人と仲良く飲んでいる頃だろう


もしかしたらいつもと違うシチュエーションの中で
お互いの温もりを感じ合っているかもしれない




「・・・・っくっそ!!」





そう思うと俺はもう居ても立っても居られなくなって
もうあと数発で倒れそうになっている画面のまま
スマホをソファーの上へと投げ出し
薄くキラキラと輝いている薔薇の花に向かってこう呟いたんだ



「決まったよ・・・」



      「・・・・・・・・」



「次の願いが決まったんだ・・・起きてくれない?」



      「ん?決まったん?分かったちょっと待っててや?」




相変わらずの関西弁が薔薇の花の中から聞こえてくる
でも俺はこの願いをどうしても叶えてもらいたくて
再び姿を現してくれたその子にこう言ったんだ



      「お待たせ~!さ、じゃあ教えて?
       お兄さんの本当の願い事はなんなん?」



「・・・・・・・、嵐のリーダーの大野智さんを・・」



      「・・・・・・・・・・」



「この部屋に呼んで?
 そして朝まで一緒に過ごさせて・・・」




      「・・・・・・、ほんまにそれでいいん?」



「うん、これがいい」



      「・・・・・・・・、わかった」



「・・・・・・・・・・」



      「じゃぁ目を閉じて強く願って?」



「うん・・・」





するとその男のはさっきと同じように手にしていた杖をクルクルと回し始めた
俺はその子に言われた通り目をギュっと閉じて大好きなあの人の事を考えたんだ

「カズ…」って俺の事を呼びながら優しく触れてくる綺麗な手や
俺が何をしても嫌な顔1つせずに受け止めてくれるあの笑顔

「あははっ」って無邪気に笑うあの人の声も
ストイックに体を鍛え捲っている姿も
何もかも全てが愛しくて

1年に1日だけの今日この日だけでも
俺の近くにいてほしいと強く願ったんだ









。。。。。。。。。。。。。





ピンポ~~ン





「えっ!?」




俺は自分の泊っているホテルの部屋のチャイムの音で目が覚めた
そして急いで玄関先へと辿り着くとドアの向こう側にいる人に声をかけたんだ




ピンポンピンポン・・・





「えぇぇっ!?はいはい・・
 ちょっと待って・・・って、一体誰ですか?」




     「カズ~おいら~
      早く開けて~?」



!!!?
「え?大野・・さん?」






すると薄いドア越しに聞こえてきたのは
俺の大好きなあの人の声だった