cotton candy☆彡16(終) | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります


俺はジュンからもらった手紙を手に持ったまま
サトシくんがいる中庭へと向かうため部屋を出る

白く長い廊下には足元に緑色の絨毯が敷かれていて
等間隔に開いている半円形の窓から降り注ぐ陽の光が
その緑色の絨毯をキラキラと照らし出していて
明るい陽が降り注ぐ中庭へと出たような気持にさせたんだ









     「あははっ、もう何を言ってるんです?」


   「え~だって、皆いるしさ・・
    だから俺も<もうちょっとここに居たい>って素直に言っただけじゃん?」


     「ダメですよ・・。ショウ様だっていつまでもここに居る訳じゃないんですよ?
      それに我々だってそろそろ城へ戻らないと私が王様に怒られてしまいます」


   「そうかな~大丈夫だと思うんだけどな・・・
    だって父様も<もっと外の世界を知らなくちゃダメだ>ってよく言ってるし・・
    それに俺にはカズがいつも傍にいてくれてるし・・・」


      「う~~ん、確かにそうですけど・・・でもな・・・」




「・・・・・(笑)」



すると俺から少し離れた場所で
楽しそうに話をしながら廊下を歩いている
マサキとカズナリの姿を見つけた


2人はこれからの事を冗談交じりで話し合っているのが聞こえていたから
これからの旅に誘うには良いチャンスだと思い
仲良く歩いている後姿の2人に向かって声をかけてみたんだ・・





「お~い、マサキ!、カズナリ!!」


    「え?あ・・ショウちゃん」


      「ショウ様・・・」



2人は俺の声が届いた途端その場で足を止めてくれる
そして慌てて俺の方を振り返ると柔らかい笑顔を見せてくれたんだ


同じタイミングで俺の方を振り向いた2人は
幼い頃から当たり前のように傍にいる所為でふとした仕草がよく似ている
だからこうして少し離れた場所から見ると本当の兄弟のように見えた


俺はそんな2人の姿を見ていると自然と笑えてきてしまって
思わず自分の口元を押さえながら2人の元へと歩み寄って行ったんだ・・



「くっくっく・・・」



   ???
   「ショウちゃん?どうしたの?」



     「???」



    「なんか変だった・・・?俺達・・・」




そう不思議そうな顔をしながら言ったのはマサキだった
そして隣に立っているカズナリは黙ったまま俺からの返事を待っていた・・



「いや・・別に変じゃないよ?
 ただ2人が同じタイミングで
 同じように俺の方を向いたから面白くて・・」



   「え?あ・・そうだった?
    でもそれは仕方ないよ~
    だってもうずっと一緒にいるんだもん、ね?カズナリ?」


     「はい、それよりもショウ様・・一体どうなされたのです?
      その手に持っているものは何ですか?」




「え?あぁ・・これは・・・」




    「「???」」




俺は手に持っている手紙が
自分が書いた手紙を読んだサトシくんの
お父様からの返事だと教えてあげた



そして俺はその手紙を2人に手渡してやる

するとその手紙を読み終えたマサキの眼が
いつも以上にキラキラと輝いていて
答えを聞くまでもない事を教えてくれたんだ・・・




   「一緒に行く!!絶対行く!!」

     
  
     「マサキ様・・・」


      

   「カズだって一緒に行きたいでしょ?
    サトシ王子とショウちゃん、それにジュンくんも行くんだよ?
    俺達も一緒にいかなきゃダメじゃん!?ねっ!?」




      「いや・・でも・・・
       どちらにせよ一度城へ戻り
       王様に許可を頂かなくては行けません」
     
 
     「え~っ!?ぶつぶつ・・・」



       「だってこのまま何の連絡もないなんて
        さすがの王様も心配なさるでしょうし・・・」



「さすがカズ、長年マサキの側近をやってるだけの事はあるよ
 でもな、実はサトシくんのお父様が俺達がこうなることを見越して
 マサキのお父様宛てに手紙を預かって帰ってきているんだ」



     !?
     「そうなの!?王様スゲー」



       「さすがでございますね」



「もし2人がこのまま俺達と一緒に来てくれるというなら
 今から順に城まで走ってもらうけど・・どうする?」



     「やった!!これならいいよね?カズ!!?」



       「はい・それなら何も問題はないかと・・・」


   
     「ひゃっひゃっひゃ!やった!皆で旅に出るぞぉ~!」




「そうだな・・俺も2人が一緒に来てくれたら心強いよ
 それに5人で旅をするなんてこれが最初で最後になるだろうからな・・」



     「そうだね・・・それは仕方がないよね」

          
        「マサキ様、ショウ様・・・。その分楽しい旅にしましょう
         さ、早くサトシ様の元へ・・そのおつもりだったのでしょ?」



!?
「あ・・・しまった・・
 そうだった・・・・」



     「サトシ王子も喜ぶだろうな・・・
      だって”綿あめ”凄く食べたそうにしてたから・・・」



「あぁ・・そうだな
 よし!じゃぁ俺達の手で
 世界一美味い”綿あめ”を
 サトシくんに食べさせてあげようぜ?」



      「うん!オッケー!!」



        「はい、喜んで・・・ふふふっ」




俺達は長い廊下の途中で微笑み合うと2手に別れて行った

マサキとカズナリはこれからの準備を整えるために自分達の部屋へ
そして俺はサトシくんがいる筈の中庭に向かって再び歩き始めたんだ・・





。。。。。。。。。。。。。




マサキとカズナリの2人と別れた後、中庭へとやって着た俺は
噴水の近くに裂いている花を一生懸命描いているサトシくんの傍までやって来ると

驚かせないように気を付けながらそっと声をかけてみる・・・

だって絵を描いている時のサトシくんは物凄い集中力を使っていて
こうして声をかけるのも悪いような気がするから・・・


でも今回の件に関しては貴方に早く伝えてあげたかったんだ
だってあの大好きな笑顔を一番近くで見たいと思っていたから・・・









「サトシくん・・・」



      「・・・・・・・・」



「サトシくん・・・」



      !?
       「えっ!?あ・・・ショウくん・・?」



「うん、ごめんね
 絵を描いている時に邪魔しちゃって・・・」



       「ううん、いいよ・・気にしないで?」



「相変わらず凄い集中力だね
 一体何を一生懸命描いてたの?」



       「ん?んふふ・・・ないしょっ♪」



「あらら・・・内緒ですか・・」



       「うん、んふふ・・・
        で?どうしたの?何かあったの?」



「え?あ、うん・・・あのね・・・実はね・・・」



       「???」



俺はサトシくんに分かりやすいように今の状況を教えてあげる

そしてサトシくんのお父様へ手紙を書いた事や
その返事が届いた事も教えてあげたんだ

サトシくんは俺からの話を黙って聞いていたけど
やがて自分のしてしまった行動に反省をしたのかそっと俯いてしまったんだ



      「ごめんなさい・・おいら・・・迷惑かけた・・・」



「うん、そうだね・・・
 でもね、王様はこれを機に
 貴方にもっと外の世界を見て来て欲しいって言ってるんだよ?」



      !?
      「え?城に帰らなきゃいけないんじゃないの?」



「ううん、違う・・逆だよ・・・
 王様はね貴方にいずれ自分が収める国の民が
 どんな生活をしているのか見て来て欲しいって願ってるんだ」



      「・・・でもおいら、これ以上1人では・・・」



「うん、それも分かってる
 だから俺やジュンそれにマサキやカズナリも
 皆、貴方に付いて行くことにしたんだ♪」



      「えっ!?5人・・みんな一緒!?」




「うん、ふふっ♪
 そうだよ、俺達は5人一緒に旅をするんだ
 何も心配する事なんてない、絶対楽しい筈・・・」




      「ショウくん・・・みんな・・・・」




「だから俺達と一緒に”綿あめ屋”じゃない
 移動サーカスを探しに行こう!?
 今はまだそのサーカスがどこにいるのか
 はっきりと分からないけど俺達ならきっと辿り着けるさ!
 で、店を見つけたらお腹一杯”綿あめ”食べさせてあげる♪」



     「うん・・グスッ、ありがと・・ショウくん・・・」



「あらら・・・綺麗な雫が零れてますよ?」



      「え?あ・・・・」




俺はサトシくんの可愛い目尻から
ポロポロと零れ落ちる涙をゆっくりと指で拭ってあげると
そのままそのおでこに”約束”のキスをしてあげる

サトシくんは自分のおでこに俺の唇が触れた瞬間
擽ったそうに肩を窄めていたけどその顔は嬉しそうに笑っていたんだ




     「んふふっ♪」



「ふふっ・・」



     「ありがとう、ショウくん・・・」



「うん」



     「これから・・・よろしくね・・・(笑)」




いつもの様にフニャリと笑った貴方のその笑顔を見た瞬間
俺の胸が一気に熱くなって思わず貴方の身体を抱き締めてしまったんだ










。。。。。。。。。。。。。





2日後



マサキの城へ手紙を持って行っていたジュンが屋敷へと帰って来た



そして手紙の返事の書かれた封筒を俺に手渡すと
馬を買い取るために街へと降りて行ってしまったんだ




俺はジュンが預かってきた手紙に急いで目を通す

するとそこにはサトシくんのお父様が書いていた事と同じ内容が記されていて
そのままその手紙をマサキとカズナリに見せた


マサキとカズナリは2人揃ってその手紙を読んだ後
満面の笑みで俺の方へ顔を上げてくれたんだ・・


そして当然その手紙の事をサトシくんに教えてあげる


すると俺からの話を聞いたサトシくんもまた満面の笑顔になって
あまりの嬉しさからか自分から腕を伸ばして
俺の身体にギュっとしがみ付いて来たんだ・・・




。。。。。。。。。。



!!?
「サトシくん!?」



     「・・・・・・・・。ショウくん・・・」


「ん?」



     「おいら・・幸せだよ」



「うん」



     「これからもうしばらくの間
      皆と一緒にいることが出来るんだね
      同じご飯を食べたり、同じお布団で寝たり出来るんだ・・・
      あぁ・・おいら何度夢に見ただろう・・・」



「・・・・・・・・・・・」



      「本当に嬉しいよ・・・ありがと・・ぐす・・・」



「サトシくん・・・」







俺は嬉し涙を流すサトシくんの身体をぎゅっと抱きしめながら
その甘い香りと華奢な身体から発せられる温もりを身体に刻み付けた





そしてその日から2日後





俺達はこの国のどこかにいる移動サーカスを見つける旅に出た


貴方はいずれ自分が収めることになるこの国と
その国に住む人たちの生活を自分の眼で確かめる為・




そして俺達4人は大好きな貴方の傍にいて
世界一美味しい”綿あめ”を食べさせてあげるために・・・























<冒険編>へつづく・・・?