も~っと♡ハピネスベーカリー#8 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります









    「うん、俺も翔さんの意見に賛成だな・・」




「そ・・そうなの?」




    「うん」




「・・・・・・」





おいらは昨日翔くんにしたのと同じ質問を
開店後すぐに訪れてくれた潤くんにしてみる

潤くんはおいらの話を黙ったまま最後まで聞き終えた後
その大きな手をおいらの頭の上に乗せ
優しく撫でながら自分の意見を話して聞かせてくれたんだ




(あ・・優しい手だな・・
 おいら潤くんのこの手大好きなんだよね・・)




「・・・・・・・・・♡」



     「本当はね?俺も、いつも思っていたんだよ?」




「ん?何を・・?」




    「貴方が作ったパンには
     本当に”愛”がたくさん詰まってるなって・・」



「・・・・・・・・・」



    「毎日触れているからこそ分かるんだ
     他のパン屋で買ったパンではあの味は出せない
     モーニングで使うトーストも、サンドイッチ用のパンも、バゲッドも・・ 
     貴方が作ったこのお店のパンじゃないとダメなんだ・・
     俺の料理は貴方のパンがなければ完成はしないんだよ・・」



「潤くん・・・」





潤くんの大きな手がおいらの頭をゆっくりと
何度も何度も撫でてくれている・・


おいらはその感触が気持ち良くて
潤くんの言葉を聞きながらその場でそっと瞼を閉じていた




     「だから・・もっと自信をもって?
      大丈夫何も心配はいらないよ?
      特に翔さんにたくさん愛された次の日のパンは絶品だから・・」



!!!?
「ばっ・・!/////」
    


     「くっくっく・・・・」



「もう!潤くん!!からかわないでよ!!」




    「あっはっはっは!もう可愛いなぁ~っ!」




「ぷうっ!!」



    「あははっ!ごめんごめん・・・
     でも・・さっき言った事は本当だよ?
     シゲの寿司屋と、俺の店、そして智のパン屋は
     このハピネス商店街を代表する店だと俺は思ってるよ」



「・・・・・・、ありがとう
 でも本当にいいのかな?」



    「大丈夫だよ、何も心配いらないよ?
     特に今回のレポーターは和の先輩なんだろ?
     だったら細かな事は和に任せればいい・・
     それに翔さんの言う通り、
     このお店を紹介するだけなら色々な方法があるから・・」



「うん・・・」



    「俺も、和も、雅紀も翔さんも・・みんながついてる
     だから貴方はいつもの様にパンを焼けばいい・・
     何も飾らずに、素直な気持ちのままいてくれればそれだけでいい
     そして勇気を出して一歩前に進んでくれるだけでいいんだ・・
     そしたら新しい景色が見えて来るかも知れないよ?」



「新しい景色・・・?」




    「そう・・今までとは違う新しい景色だ・・
     守ることも大切だけど時にはチャレンジも必要だよ?」



「うん、そうだね・・わかった。
 おいら・・頑張るよ、その話受けてみる」




    「おっ!?」




「本当はちょっと怖いけど・・でも頑張ってみる
 翔くんも潤くんも皆がこうやって背中を押してくれるんだ
 おいらもがんばらなくっちゃ・・ね?」



    「うんうん・・偉い偉い!!」



「んふふっ♪」




潤くんはそう言うと嬉しそうに微笑みながら
ご褒美のキスをおでこに小さく落としてくれる

そしていつものようにたくさんのパンを抱えた後
最後にウィンクをしてから店を出て行った・・







。。。。。。。







潤くんが店を出て行ってから暫くした後
いつもの時間に和がおいらの店にやって来た



    「おはようございます大野さん」




「うん、おはよ・・」




おいらは相変わらず可愛い顔をして微笑む和に向かって
「取材・・頑張ってみるよ」と返事をする



    !!?
    「ホントに・・?」



「うん」




するとその言葉を聞いたカズはパアッと頬を高揚させると
真っ直ぐ腕を伸ばしてそのままおいらの身体に抱きついて来た



「和・・・?」



    「ありがとう・・大野さん」



「ううん・・・おいらこそありがとう」



    「ん?どうして大野さんが”ありがとう”なの?」



「だって・・おいらに
 新しい世界を見せてくれるチャンスをくれたんでしょ?
 潤くんがそう言ってくれたんだ」



    「そうですか・・潤くんが・・」



「うん、でも潤くんだけじゃないよ?
 翔くんも和も、相葉ちゃんだって皆傍にいてくれる
 だからおいらも頑張ろうって思えたんだ・・」



    「うんうん・・・」



「だから色々助けてね?和・・・」



    「当たり前ですよ!もう全力でサポートします!」



「うん、んふふっ・・・よろしくね」



    「はいっ!!」




眼を細めながら頼もしい返事をしてくれる和
おいらは自分の口元を押さえながら
クスクスと笑っている和のその姿を見ているだけで
何故か凄く安心することが出来た











ー 数日後 -



おいらはいつもの時間より少し早めに店を開けた

というか実は昨日の夜緊張してしまって
眼を閉じても全然眠くならなかったんだ・・





「ふわぁぁぁ・・・」






    「あ~ぁ、大きな欠伸しちゃって・・・」
 


     
!!?
「あっ!?潤くん・・・!?」




   
そう言って店の扉の前に立っていたのは潤くんだった

「おはよう」と優しい声であいさつをしてくれる潤くんは
いつもの時間より早くに店を開け
すでにたくさんのパンが陳列されている店内を見ると
少し心配そうな顔になった・・




     「もしかして・・寝てないの?」




「えっ!?ど・・どうして?」



    「だって・・この時間にこんなに商品が並んでるって事は
     かなり前から焼いてたって事でしょ?違う?」



「・・・・・・、参ったな」



    「やっぱり・・。緊張して眠れなかったんだね」



「うん」



    「でも分かるなその気持ち
     俺も初めて取材を受けた前の夜は
     緊張と興奮で全然眠れなかったもんな・・」



「やっぱり!?
 おいらもそうなんだよ・・
 寝ようとしても眼が冴えちゃって・・」



    「うんうん・・分かるよ
     でもご飯はちゃんと食べなきゃダメだよ?
     後でモーニング持って来てあげるから・・
     何なら智の好きなモノ、何でも作ってあげる・・なにがいい?」



「え!?あ・・えっと・・
 おいらハムときゅうりのサンドイッチが食べたいな
 潤くんの作るそのサンドイッチが大好きなの・・♡
 あ、あとフルーツも・・・」



    「よし!任せとけ!!
     たっぷりめのカフェオレと一緒に持って来てあげるよ」



「うんっ♡ありがとう!」



    「じゃ・・また後でね」



「はーい」





潤くんは相変わらずいつもの様に
おいらの焼いたパンを両腕に抱えたまま帰ってゆく

おいらはそんないつもの光景を眺めながら
ホッと小さくため息を吐いた・・


そう・・今日はこのハピネス商店街に
テレビカメラとレポーターがやって来る日だったから・・




    




ー 10時30分 -






カランカラン・・・




    「こんにちは、大野さん・・」



「あ・・和・・・」



    「さっき、シゲさんの店から取材が始まりましたよ?」



「そ・・そうなんだ・・・」



    「さっきここへ来る途中チラリと見ましたけど
     あっという間にシゲの店の前に人だかりができていましたよ
     テレビカメラだけなら別段そうでもないのかもしれないけど     
     今回はグルメレポーターも一緒だから・・(笑)」



「・・・・・、ふぅ・・」



    「緊張しているようですね?大丈夫ですか?」



「うん・・・大丈夫だと思う・・たぶん」



    「ふふっ・・大丈夫ですよ?
     打ち合わせの通り貴方はいつもの様に
     パンを作ってくれるだけでいいんです
     コメントやパンの紹介などは私が全てやりますから・・」



「ありがとう・・」





すぐ目の前に立っていた和は     
緊張で冷たくなっていたおいらの手をそっと掴んで温めてくれる

おいらはそんな和のさり気ない優しさに心から感謝しながら
何度も何度も深呼吸を繰り返しながらやがて訪れるその時の為に
もうずっとドキドキしっぱなしの心と身体を落ち着かせたんだ・・・