cotton candy☆彡6 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります



    『そうか、こんな風にして人を騙しては金を儲けていたのか・・』




「!!!?」





その声が聞こえた瞬間、朝市で賑わっている店の前で
大きな声を出してもめているおいら達を見ていた人達が
一斉に振り返りその声の主を確認する

そしてその場にいた人達は
自分たちの目線の先にいる人を確認した後
その人を邪魔しないようにと音もなく静かに左右に割れたんだ・・

おいらは大きな男の肩の上からその姿を確認してみる
キリッとした濃い顔立ちのその男の人は綺麗な白い軍服を着ていて
腰には金色に輝く剣を携えていた




「・・・・・・・・・・・」



コツ・・コツ・・コツ・・・




と、足音を響かせながらゆっくりとおいら達の方へ近づいてくるその人は
自分の後ろに同じ制服を着た人を何人か引き連れていて
その場にいる人達を誰一人として逃がすまいと物凄い威圧感を放っていた・・




     『今までのいきさつは全て見させてもらった・・』




コツ・・コツ・・・コツ・・・




    『最近この市場で起こっている行方不明事件は
     お前達の仕業だったんだな?』




そう言いながらおいら達の前までやってきたその人は
さっきまでにやにやと笑っていた店主に向かってそう言った

でも・・店主は悪びれた様子も見せずに
逆に開き直ってその人に向かってこう言い逃れをしたんだ・・



    「旦那様・・何をおっしゃいます!?
     私どもは何も悪い事はしておりません
     むしろ悪いことをしたのはこの者でございます
     この者は店の商品を勝手に食べたのにも拘らず
     お金を持っていないからと代金を支払わないんでございますよ?」



     『・・・・・・・・・・』
 


     「しかもこの者は嘘まで吐いた・・
     だから食べてしまった代金を身体で払ってもらおうとしたまでの事
     ただそれだけでございますのに・・」



「・・・・・・・・」



     『ふむ・・・。その件に関してはお前が言う事の方が一理ある』



「!!!?」   



     「そうでございましょ?
      ですからこの者を連れて行ってもよろしいですよね?」


!!?
「ヤッ・・!やだッ!!離してッ!!」





    「煩いよ!この泥棒め!!
   お金を払わなかった前が悪いんだ!  
   その事はここに居るみんなが見てた!そうだろ?皆?
   俺は何も悪い事していない!悪いのは全部コイツなんだ!!」





!!?
「なっ・・!!そんな事言われても・・
 食べていいよって言ったのはそっちじゃないか!!
 全部食べてからお金を払えってひどいよ!

 しかも5000円だなんて・・」



    「だ・・黙れ!!とにかく金も持たずに
   店の商品を食べたお前が全部悪いんだ!!」



「ぶぅっ!!」


おいらはこれ以上何を言ってもダメだと思って
抱きかかえられた男の肩の上で大きくため息を吐いた

するとその軍服を着た男の人は
おいらの方をチラリと見てから
「フッ・・」と唇の端を小さく引き上げ微笑んだ後
ドヤ顔をしている店主に向かってハッキリとした口調でこう言ったんだ



    『・・・・・・・・・、そうか・・わかった』


    
    「ありがとうございます!では自分はこれで・・・」


    
    『いや、その泥棒はこちらで預かる』





「!!!?」




    「えぇぇぇっ!!?」



    『なんだ?その者は泥棒なんだろ?
     だったら警察である私達が
     その者を預かり罰を与えるのが当然だろう?』



    「え?い・・いや・・あの・・それは・・」



    『なんだ?何か不服があるのか?
     それとも・・その者がいないと何か困る事があるのかな?』



    「・・・・・・・・・、いえ・・」



    『では、その者を引き渡してもらおうか・・?おい!』




     - はっ!! -




バタバタバタ・・・・・


その人が発したその一言で
両足をきちっと揃えたままで立っていた人達が一斉に動き出し
あっという間に店主たちを取り囲むと
男の肩に担がれたままのおいらを地面へと下ろし
そのままおいらだけその場から引き離されてしまった


「・・・・・・・・・」


でもおいらはその時ホッとしてたんだ

だってあのまま知らない所へ連れて行かれる事を考えると
こうして警察に捕まる方がまだマシだと思えたから・・




「あ・・あの・・・」




    『・・・・・・、さぁ行こうか?』




「え?ど・・どこへ?」




    『この街で一番偉いお方の所へ・・・』




そう言って優しく微笑んだその人は
白い手袋をした手をおいらの背中にそっと添えると
チラリとおいらの顔を覗いてからゆっくりと歩き出した・・・