シリウスへの翼~瑠璃色の雫~#15 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

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気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります


誰・・・?




俺の頭を優しく撫でてくれているのは?


あぁ・・・気持ちいいな


このままずっとこうしていたい・・・・







(・・・・・・)




     『潤・・・・・』





「う・・・ん・・・・?」





     『ありがと・・・』





「・・・・・?さと・・・し?」





  
     『ん・・・』




俺は大好きなその優しい声に導かれるように目を覚ました

気が付いたら俺は眠る大野さんの手を握り締めながら
ベッドにうつ伏せになり自分も寝てしまっていたんだ
目の前にいる貴方は俺の方を見ながら静かに微笑んでる
そして俺の頭を優しく撫でていてくれていた



「えっ・・・・?大野・・・さん?」






     『うん・・・・』






「もう・・・大丈夫なの?」





     『うん、もう大丈夫だよ
      心配かけちゃってごめんね・・・・』





「あぁ・・・、良かった・・・・」



微笑んでいた貴方の表情が曇って行く
俺はまた具合が悪くなってしまったのかと一瞬不安になってしまった



     『・・・・。ねぇ、潤くん・・・』




「ん?」




     『おいら・・・何があった?
      時々、記憶が飛んでしまう事があって・・・
      あの屋敷のいる時も、気が付いたらルカが今の潤くんみたいに
      ベッドの横でおいらの手を握り締めながら
      眠っていたことが何度もあったんだ・・・』




「・・・・・・・」




     『でも、おいら何も覚えていないんだよ
      ただ凄く怖い夢を見ていたような気はするんだけど・・・』




「・・・・・・。
 何も・・・ないよ?
 大野さんが心配するようなことは何もない
 ただちょっと熱が出ただけ・・・
 たぶん、疲れが溜まっていたんじゃないかな?
 この2週間、本当に色々な事があったから・・・・」




     『そう・・・だね
      本当に色々あったもんね』




「でも・・・もう大丈夫みたいだね
 うん、熱ももう下がってる・・・
 あ、お水飲む?何か作ろうか?
 お粥とかスープとかなら食べられる?」




     『・・・・・、潤くん』




「ん?何?」




     『ありがとう・・・』



!!?
「や・・やめてよ、改まって言われると恥ずかしいよ
 それに当然でしょ?目の前で病気の人が居たら看病するでしょ?」



     『・・・・・、そうだね』



「だから、大野さんが気にする必要はないんだよ?」



     『うん・・・。
      じゃあもし、潤が病気になったらおいらが看病してあげるね』



「ははっ・・・、じゃその時はよろしく
 あ・・・まだ無理はしないで?
 もう少し休んで、スープ作って持ってくるから・・・」



     『ありがと
      おいら潤くんが作ってくれる料理大好き
      だって優しい味がして美味しんだもん・・・』



「そう?そんな風に言ってもらえると嬉しいよ
 ちょっとだけ待っててね、すぐ作るから・・・」



     『うん、分かった・・・・』



貴方はベッドの上でホッと一息ついた後
再びシーツのその身を沈めている

でもその瞳はまだ宙を彷徨っていた



「・・・・・・」



俺は少しでも大野さんが食べやすい様に
野菜スープじゃなくタマゴスープにしてあげる
大野さんがタマゴスープが好きなのを兄貴から聞いていたから・・・




「お待たせ・・・これなら食べること出来るかな?」



     『ん?あ・・・タマゴスープだ
      おいらこれ好きなの・・・嬉しい♡』



「良かった・・・、たくさん食べてね
 いっぱい作ってあるから」



     『んふふ・・・ありがと
      ねぇ、潤くんも一緒に食べようよ?』



「ん?あぁ・・・そうだな
 じゃ俺の分も持ってくるよ・・・」




     『うん・・・』




俺達は2人で同じ物を食べ
同じ空間を共有し、同じ時間を過ごした



大野さんはあまり外に出ることはできない
だって何処にアイツの手下や仲間や内通者がいるか分からなかったから・・・

その代り俺が買い物や外部の情報を得ていたんだ
外へ出たときはここに住むように促してくれた兄貴の友人と連絡を取り合い
俺達の状況やを最新の情報を報告しあっていた・・・・






そして





俺と大野さんがミラノで暮らすようになって更に2週間が過ぎた
TVや新聞ではもう別のゴシップ記事が世間を騒がせていて
ジャンの贋作疑惑は少しづつ小さな記事となっていく




そんなある日の事だった
いつも通り俺が買い物に出ようとしたとき
俺達の部屋を誰かが小さくノックした・・・






コンコン・・・



!?



コンコンコン・・・・・




「・・・・・、はい。誰?」




     「・・・・・、ジュン・・・さん・・・・?」



!!?


「・・・・・テオ?テオなのか?」



     「はい」



「ちょ・・ちょっと待ってね、すぐ開けるから」



カチャリ・・・



!!!

扉を開けた先に立っていたのは
1か月前に別れたテオとルカだった



「テオ!ルカ!!」



     『えっ!?ルカ!?』



「大野さん!ルカとテオが来たよ!
 さ、とにかく早く入って?」




     「はい・・・」
     


ソファーに座っていた大野さんが慌てて2人の元へとやってきた
ルカはその大きな瞳から綺麗な涙を流している
その姿を見た大野んも瞳を潤ませていた




     『テオ、ルカ・・・・。良かった無事で・・・』


     「ご心配をおかけしました
      遅くなってしまってごめんなさい・・・」

     「・・・・・・」
    


     『ううん・・・』



「良かったね、大野さん・・・」


   
     『うんっ♪』



     「ふふ・・・」
    
     「 ♡♡♡ 」



テオとルカは嬉しそうに満面の笑みを浮かべている

大野さんは2人の顔を交互に見ては嬉しそうに微笑み
そして目の前にいるテオとルカをその手で強く抱き締めた・・・