震える声で歌う朝の歌
強き声で歌う夜の歌
本当は知っていた風の歌が運ぶ福音(ふくいん)を
調べは心地好(よ)く、靭(しな)やかに
誰しもに届けたいと願った
悲しみは果てない
喜びは瞬く間に
夢に、光に、翼に恋した
羽撃(はばた)く前が怖くて
羽撃いた時は心躍ること
そんな歌を届ける
皆(みな)、恐れていた
風が来ないことに
何処からか聴こえるソナタ
風を忘れる頃、その音が心の静寂(しじま)に染み渡る
歌と共に
大切なのは誰かを思いやること
大事なことを忘れないで風が言った
遠くから手を振る誰かが居ることの温(あたた)かさ
重なるふたつの影法師
粉雪が頬を掠(かす)る
優しい言霊が喉を伝う
すべてが風の歌
泣く声で歌う夜明けの歌
白き声で歌う昼の歌
本当は知っていた風の歌が届けるカンパネラ
透明な心は鮮明に鮮(あざ)やかに
此処には誰も居なかった
そして
悼(いた)む心は限(きり)が無い
満ちること祈る
希望を、闇を、時雨(しぐれ)、ふたり
ひとり歩むことが怖かった
ふたつの手を繋ぐことの温かさ
そんな熱を届ける
視線は遠くを見つめ
来た道を振り返ってた
選んだ道でも迷ってしまう
初めの心を忘れる頃、有耶無耶に逃げ出した
いつかの歌と共に
歌が語った心とは痛みとはと
心無くして成り立つものはないと言った
この心臓が鳴り響く数が生命の最期の糸だと
居た堪(たま)れないのはいつからか
別に気にもしなかったのに
あなたの顔が歪(ゆが)んだから
だから愛を歌う
統(す)べるすべてが愛
銀色の絶景
金色(こんじき)の黄昏
ただそこに心を立ち尽くす
本当は知っていた、そのすべてを