私は洞窟(どうくつ)の底で目隠しをして海を探してた
光はあっても、闇があっても、土があっても水は無い
けれど、目隠しをされて私には何も見えない
そこに何があるのか知らない
何故、私は此処に居るのか
ズタズタの衣(ころも)を着て、ただ歩く
眼(まなこ)の奥に見える光の川が私の視界
何を見ても、光の川が流れてる
私が今何を求めてるのか、自分でも理解出来ない
ただ解(わか)るのは生まれた場所へ帰ること
風が私の頬を掠(かす)った
雨が私の腹を叩く
雪が私の足を引っ張る
五感だけが私の行く末を指し示す
どんなに苦しくても
どんなに寂しくても
どんなに悲しくても
五感が指し示す光の川から流れ出し光なる海へ
来た道を戻ることは許されない
私は進むしか出来ない
そう五感が訴えるのは何故か?
生き物は皆(みな)何を目的地として生きるのか
私には解(わか)らない
私と同じ生き物がこの世に居るのかすら私は知らない
私は気付いたときには産まれてた
私は気付いたときには此処で息をしていた
何故(なにゆえ)に存在してるのかと、意思を持ち始めたのはいつの頃か
知らないことを知ってると気付いたのはいつの頃か
私の存在価値とは何か
私は生きたいという欲望を前面に出して
貪欲に光を喰って、闇を喰って、罪を積み重ねてた
だけど、何をしても満たされることは無かった
満たされた先に何があるのか
何故、私は満ちたいのか
ならば、私の存在意義を示せ
喰われた眼(まなこ)の奥に見える光の川は
神々しく光る蟲(むし)の集合体のよう
私の眼(まなこ)が醜いから喰われた、醜悪(しゅうあく)だ
ただ解(わか)るのは生まれた理由(わけ)を知ること
炎(ほむら)が私の手を赤くし
雷(いかづち)が私の耳を傷(いた)め
陽(ひ)が私の眼を喰った
六感だけが私の本質を指し示す
どんなに苛(さい)まれても
どんなに悔(くや)やんでも
どんなに虚(むな)しくても
六感が指し示す光の川と涙が流れ光なる海へ
私は行(ゆ)くことでしか自分を知れない
そう
私は赤とも黒とも言えない
そう六感が直観的に訴える
私は生きてる、息をしてる、生きるために
けれど、
私には解(わか)らない
私という生き物がこの世に存在していいのか私は知らない
私は気付いたときには独りだった
私は気付いたときには生き物を喰らってた
何故(なにゆえ)に生を求めるのかと、自分に問い始めたのはいつの頃か
この世が私の世界だと気付かされたのはいつの頃か
私の存在自体、何者か
私は終焉(しゅうえん)を持って、母なる海へと還(かえ)る
return to the ocean
(海へと還(かえ)る)