毒を喰らわば皿まで

出逢ってしまった

頬を刺す禁忌(きんき)を破り捨てた

皿まで舐めて舐めて

あなたの声が嗄(しゃが)れるまで

私は恋(こ)う

あなたを乞(こ)う

あなたが幾ら抗(あらが)おうとも

その悲鳴すら愛す

閑古鳥(かんこどり)が鳴く店

何もかもすべて、上手く往(ゆ)かぬ

法螺(ほら)吹き

虚言癖(きょげんへき)

口と口を絡め

私はあなたを離せない、離す気など無い

幾ら、幾ら、蔑(ないがし)ろにしようとも

幾ら、あなたが私を遠ざけようとも


放たれるドーパミン、高揚(こうよう)

あなた、今うわずった、声が震える

矛盾、紅く頬が染まる

衝動に溺れ堕ちてく

あなたを貫くナイフ

脳が真っ白になるまで貫き尽くす

罵り合いながら

その罵倒すら、感情を高ぶる楽園にしかならない

現実なんか忘れてしまえ


不協和音も幸(こう)も不必要

この体だけ或(あ)れば

現実問題(じっさいもんだい)、生きてける

なのに

性的衝動はあと居(い)つまで続くのか

この虚しさは何なのか

温もりは永遠と終焉(しゅうえん)の隨(まにま)に弄(まさぐ)る

あなたしか見えない

その背中が反り返り、肩甲骨(けんこうこつ)が浮く

暗闇の中の薄っぺらい光が照らす静寂音


私は誰なのか

心の芯に紙煙草で火を点けて

燃やして

無駄なことなど望まない

希望など気泡の中に沈む

大声で叫び尽くす、触れても好(よ)いですか

あなたの中に出しても好(よ)いですか?

シルシを刻み込む生存本能だけだ