疾走(はし)りたいんだ

この翼を広げ高く高く

生きてるって今、信じたいんだ

綺麗なこのストーン(意志)

磨けばもっと光る

幾千もの輝きで

ヒビ割れ(クラック)も受け入れて

もっと遠くへもっと遠くへ

駆けてく心の瞬間速度は自分の限界を超える

見事な青のあの空へと


本当は悲しかった

本当は苦しかった

けど、誰にも打ち明けられなかった

想いの重力、希望の引力

自分にボーダーラインを引いていた

ここから先は進行禁止だと

これ以上は飛べないと

自分に限界の存在をつくってた

果てしない夢を見ることが出来ないと決め付けてた


不幸とはやって来るもの

幸せとは自分のあちら側にあるもの

思い通りにいかないことに苛立ちを覚え

投げやりになっては、すべてのものに当たり散らしてた

笑う人たちを見ては、幸せとはああいう人たちのものだ

そう呟いていた

そう嘆き悲しんだ

自分に無いもので、これから先も掴むことが出来ないものだと

自分で自分を貫いてた


光を穿(うが)つことで

闇を拾っていた

得られるものは濁(にご)って澱(よど)んだ激情

感情線は手からすり抜けて

コントロール出来ない領域に行ってしまった

何処(どこ)に行けば

何処(どこ)まで行けば

祝福の雨を降らせられるのか

自分がわからなくなっていった


いつも一線を引いて、人も何事も見ていた

冷めた視線は自分すら撃ち抜いて

不純物混ざったストーン(意志)

それすら全面否定しては何処(どこ)にも行けずに立ち尽くした

自分とは何者なのか、何故(なにゆえ)に存在するのか

自問自答、結果=すべてを奪われるもので与えられるものは何も無い

全部幻想で夢とは叶わぬもの

そう言い聞かせてた


けど本当は何処(どこ)まで飛べるか試したかった

その手に触れたかった

ボーダーラインの内側で膝を抱えてた

傷付きたくないと

なのに笑うことに憧れを抱いていた

何度傷付いても笑う憧れたあの人は輝いて、凛としていた

僕を貫いて去っていった


だから飛びたいと思った

これは自分の世界に自分自身に飛べるのか試されてる

この場所から飛び出せるのか

弱い自分から駆け出せるのか

最大限の力の出し方なんて知らない

無我夢中で向かい風の強靭(きょうじん)さに歯向かう

想像と理想は違う場所にいることを知った

たったひとつ自分だけの光、目指して

高く遠く飛び出した新世界

疾走(はし)りたいんだ

この翼を広げ高く高く

生きてるって今、信じたいんだ