眠れない日は金木犀のオードトワレで強い眠りを誘う
溜め息が夜を何度も飾り立てる
夜は始まったばかり
眠りが深ければ深い程
夢が深かければ深い程に心は落ち着きくれるのだろう
そんな夜を何度繰り返せば優しい夜を迎えるのか
寝息をたてて、穏やかな眠りに就くのはまだ遠い先の夜
夜の住人はまだ部屋の扉を叩かない
溜め息ばかりが夜を何度もノックするばかりで眠りはやって来ない
瞼が落ちるは安寧(あんねい)の印
安らかな眠りを
安らかな朝を感じたい
過ぎていくのは時間だけで
夜は更(ふ)けていく
名残惜しいのは昨日の眠り
願いが叶うなら安堵(あんど)する眠りを
金木犀に包まれながらそんな夢を見てる
季節遅れの秋の調べをこの身に受けて
この寒い季節を乗り越える
眠りのドアの鍵はもうすぐ開く
眠りが夜を連れてこない時は金木犀のオードトワレ
香りつ包まれて何度も眼を瞑(つむ)る
夜は始まったばかり
だからもう少し待ってる
眠りの語りの到来を、眠りの詩(うた)が鳴り響くのを
そんな夜を毎夜繰り返しては優しい夢を夢見てる
花啄(ついば)む鳥のように香りに包まれて楽しんで飛ぶのは先の夜
夜の旅先案内人はまだ手招きしない
どこからどこまでが現(うつつ)でどこからが夢かそんな夜を過ごしたい
眠りに堕ちてくシーツの上
安らかな眠りを
祈りを込めて朝を待つ
まだ窓の外は暗闇の中にある
手を伸ばしては
冷たい空気を掴む、甘い夢を
眠りの風の到来を、季節を持つように
眼の瞳孔が暗闇の中、開いて部屋を明るくする
この部屋は季節遅れの秋がやって来てる
金木犀が部屋に充満しては
眠りのドアの鍵はもうすぐ開く
いつでも眠りを待ち続けてる
夜はだって長いから
深夜の静けさは心を真っ白にする
考えに耽(ふけ)ながら
夜を楽しむのをまた一興(いっきょう)
金木犀が隣で語り掛ける