今、沸き立つ畏(おそ)れ、己を揺るがす

静かにそれは耳元で囁く

畏(おそ)れに虜となって

心が畏(おそ)れだけを取り込もうとする

眼には闇を口には塞ぐ手を耳には悪魔を

それらは地から足元を震わす凶器

涙など赦(ゆる)されない

痛みなど感じる暇もない

すべては恐怖のために


今、慄(おのの)く

狂気が手元を狂わし、言葉を狂わす

己のナイフ(狂気)で自分を刺してはより狂気に達する

常軌を逸(いっ)する

叫びが気が付かないうちに漏れ出して

世界は攻めてくる

世界は赦(ゆる)さない

世界は生きてることを認めない


この部屋はバリケード、他者から護る城

疑心暗鬼に掛かっては自分は正しいと叫ぶ

そして自分は悪者だと認識する

神には何度祈った?

救いの手なんてひとつもなかった

神なんかクソ喰らえ

自分だけが自分を救う

正気と狂気の間で揺ら揺ら揺れ動く


今、悪魔が囁く、何故死なないと

世界中が合唱する死の産声を

現れた悪魔が

畏れを取り除いて生を赦(ゆる)される

ならば口には毒を手にはナイフを赦(ゆる)しを乞う

それらは生を願う最後の祈り希望

涙などもう出ない

苦しみなど身体中から

消え失せて生を祈る


今、戦慄は

旋律を奏でず、呼吸が荒くなってく

高鳴る心臓の音だけがすべての音を平伏せ狂気に身を任す

知らないうちに躊躇(ためら)いが手を震わす

世界は責めてくる

世界は囁く

世界は頭から足の先まで見てる


凝視されてるこの身には外は危険な深淵(しんえん)

揺らめく仄暗い世界の底から悪魔は見てる

恐怖で足が竦(すく)んで他者が覗き込む

繰り返す正義の言葉

眼が揺らいで正常な思考が

全て真っ白に成り果て

自分が解らなくなって

正気と狂気の間で揺ら揺ら揺れ動く