
監督:アキ・カウリスマキ
出演者:マッティ・ペロンパー、ザ・レニングラード・カウボーイズ、サカリ・クオスマネン
1989年/フィンランド
中学生の頃この写真を見た。
コミックバンドの話だと思っていて、
当然リバーフェニックスなんかに夢中だった頃。
この映画に興味を持つことはなかった。
まさかこのお笑いB級映画だと思っていたものが、
アキ・カウリスマキの映画だったとは。。
空の高さも決して高さで撮らないような、
広さと奥行きを強く感じさせる映像。
人物が、白々しくも美しい配置。
ロックンロールと半端じゃない量の酒。
どうしようもない片田舎。
いつも通りの設定の中に、
いつも通りの冴えない主人公達の冴えない話。
この人の映画を観て、
大笑いしたことも泣いたこともない気がする。
でも、クスッと笑ったりちょっとじんわりしたり、
なんでもない喜怒哀楽が自然に現れてきて、
それでいて気持ちいい感情のまま散歩に出かけたいような気持ちにさせてくれる。
アメリカまで行って車で旅をする。
そんなこと誰もが経験することじゃない。
でも、隣町で猫でも探すような感じで描かれている。
どこにでもあるような目線で、
それを誰でもできるような感じでこなしていく人達。
実は、無謀な旅をしていて修羅場もたくさん経験してる。
バンドだって、スゴい技術ととてつもない吸収力で、
進化なのか退化なのか、
乗り越えたのか取り残されたのか、
全く分からない変化を常にしている。
この監督は話を劇的に表現して心を揺さぶることを頑として避ける。
どんなシチュエーションでも、
ごく日常の鼓動の速さ、何気ないものに目を奪われる感じの方をとても大切にする。