「人事×ナッジ」シリーズ。
前回までのテーマは以下の通りです。
ここまで個別テーマを軽く触れる形で話してきました。
今回は一度立ち止まりたいと思います。
そもそもナッジってどんなものがあるの?
そこを整理したいと思います
これまでナッジを使いこなすには「整理」が必要
そう思ってましたが、イマイチできていませんでした
そうした中、ある書籍の解説に私はピンときました。
(以前の記事で参考図書で紹介したものです)
中身は各国調査の検証で、若干飽きてきます。
ただそこに解説されている枠組みが良かったです。
以下、その枠組みを私なりに整理したものを紹介します。
ナッジには大きく分けて2つあります。
本日は1つ目の情報提供型ナッジを紹介します。
- 情報提供型ナッジ
- デフォルト設定型ナッジ
●情報提供型ナッジ
最近「ソーシャルディスタンス」ということで
スーパー等に「足あとマーク」が貼られていますね。
あれです
情報提供も、その方法や文章、デザインを工夫する。
そうすることより良い方向に意思決定を変えていく。
そういうナッジです。
情報提供の例として以下のものがあります
- 誘導タイプ
- 損失回避タイプ
- 社会規範タイプ
●誘導タイプ
「足あと」もそう。
それ以外には・・・
「これを食べたら・吸ったら、こうなります」
そんなメッセージを提供するナッジです。
例としてはこんなものがあります。
- メニューのカロリー表示
- タバコの健康警告画像(日本は甘いです)
その他、単純な報酬による誘導も含みます。
●損失回避タイプ
手術をすると「生存率90%」/「死亡率10%」
どちらを言われた方が手術を受けると思いますか?
「死亡率10%」の方が、損失が印象付けられる。
その結果、手術を受ける人が減るそうです
八王子市の事例が有名です。
以下の記事にその事例の他、解説も載っています。
●社会規範タイプ
臓器提供を呼び掛けるなど、人の良心に訴える際に活用。
方法としては主に2つのタイプがあります。
- 互恵性に訴える方式
「提供することで、人を助けよう」
一度断ると、次は断りづらい(ドア・イン・ザ・フェイス) - 同調性に訴える方式
「既にたくさんの人が意思表示しています」
「あの人がやっていますよ」
特定の人から「やるべきだ」と言われる - 一貫性に訴える方式
「一度宣言したことはやり通す」
一度承諾すると、次も承諾してしまう(フット・イン・ザ・ドア)
前回の記事では、損失回避を活用した施策を取り上げました。
実は知らず知らずのうちに使うナッジがあると思います
人事や教育の世界でも誘導タイプも社会規範タイプも使っています。
後日、その辺りも触れていきます
次の回はデフォルト設定型をご紹介します。