※このお話は、長編・『HELLO HELLO』の番外編で蓮くん目線のお話です。長くなったので前編と中編と後編の3話に分けました。
小学4年生のある日、
落ち込んで河原で泣いていた俺は
知らない女の子から四つ葉のクローバーを貰った。
女の子「四ツ葉のクローバーを持ってるとね、何でも願い事が叶うんだよ😄✨」
手元にある四ツ葉のクローバーを見つめながら無意識に呟く俺。
男の子「お~い!○○~!帰るよ~👋😄」
少し離れた所から男の子がこっちに向かって叫びながら大きく手を振っている。
女の子「あ!お兄ちゃんが呼んでる。はぁ~い!今行く~👋😄」
男の子に向かって女の子も大きな声で返事をしながら手を振った。
女の子「四ツ葉ちゃん、大切にしてね!じゃあまたね~👋😄」
それだけ言うと、女の子は俺に手を振って男の子の所へ走って行く。
俺「○○ちゃん、か…。」
これが俺の初恋になった。
それから俺は、
彼女にまた逢いたくて毎日のように河原へ行った。
でも、彼女に逢う事は出来なかった。
彼女に逢えないまま2年の月日が経ち、俺は中学生になった。
中学生になり、親友のラウールと新しい教室に入ると…
あんなに逢いたくても逢えなかった彼女が居た。
もう二度と逢えないと思って諦めてたから、
教室に入って彼女の姿を見つけた時は心の底から嬉しかった。
彼女から貰った四ツ葉のクローバーに
【彼女とまた逢えますように】って願掛けしてたから、
それが効いたのかな?なんて思ったんだけど
彼女は俺の事を全く覚えてなくて…
~回想~
入学式の次の日に、俺は席替えで彼女の隣の席になった。
○○「え~っと、目黒くんだっけ?初めまして。私、深澤 ○○です。これから仲良くしてね😄」
『「初めまして」か…。あれから2年も経ったんだもんな。逢ったのはあの時だけだし、覚えてなくて当たり前か😖』
彼女が俺の事を覚えていない事にショックを受けつつも、俺も彼女に簡単な自己紹介をした。
俺「…初めまして。目黒 蓮です。こちらこそ宜しく😊」
~回想終了~
彼女が俺の事を覚えてなかったのはショックだったけど、これから仲良くなれば良いとポジティブに考えた俺は、学校に行くと毎日欠かさず彼女に話し掛けた。
彼女と色んな話をするうちに、彼女とはすぐ仲良くなる事が出来た。
○○「目黒くん、おはよう😄昨日のサッカー見た?」
俺「サッカー?一応、見るには見たけど…」
○○「サッカーが上手な人ってカッコイイよね~❤️私、内田篤人選手好きなんだぁ~(* ´ ▽ ` *)💕」
『サッカー?深澤はサッカーが好きなのか…。よし!じゃあ、俺も!』
大好きな彼女の一言で、ずっと続けていたダンスをアッサリ辞めてサッカーに乗り替えた単純な俺。
それから暫く経った日、
サッカー部の練習が終わって帰ろうと歩いていたら
忘れ物をした事に気付いて俺は慌てて学校に戻った。
誰も居ない薄暗い学校は気味悪かったから
早く帰ろうと下駄箱に行ったら…
下駄箱の隅っこの方で踞って泣いている彼女が居た。
いつもニコニコ笑ってる顔しか見た事が無かったから、
泣いている彼女を見て心の底から『守ってあげたい』と思った。
どさくさに紛れて彼女を抱きしめてみたら
分かっては居たけど凄く小さくて…
誰かが守ってあげないとすぐに死んじゃいそうで怖くなった。
彼女を守るのは俺でありたいと思ったから、
俺は泣いてる彼女を抱きしめながら
俺「今日みたいにさ、泣きたくなったら俺に言って?すぐ胸を貸しに行くから😊」
なんてカッコイイ事を言ってみた。
そしたら彼女は可愛い笑顔を浮かべながら
○○「ありがとう。目黒くんは優しいね(*^_^*)」
と言ってくれた。
だから俺は、
俺「深澤は特別だから。」
と、彼女に少しでも自分の気持ちが伝わるように『特別』と言ってみた。
○○「特別(・_・)?」
キョトンとした顔を浮かべる彼女に、俺の気持ちが全然伝わってないと少し凹んだ。
でもまだ彼女に告白するつもりは無いからこう言う事にした。
俺「うん。大切な友達だからね😊」
○○「友達…うんッ(*^▽^*)!」
俺の『友達』という言葉に嬉しそうな顔で笑う彼女は凄く可愛くてまた抱きしめたくなった。
今はまだ友達で良い。
卒業まではまだ時間はたっぷりあるから時間をかけて好きになってもらえば良い。
告白はオレンジ色の夕日の下でロマンチックにね😌❤️
そして俺は、中学の卒業式にオレンジ色の夕日の下で彼女に気持ちを伝えた。
俺「○○の事が好きなんだ。だから、俺と付き合って欲しい。」
結果は玉砕😱💥
でもまぁ、高校も一緒だからこれからまた頑張れば良い。
そう思って俺は、高校生になってからも自分磨きを頑張った。
高校生になった日は朝から色々あった。
高校の入学式の日の朝、
彼女が大好きで憧れているという阿部先輩に出会い、
彼女にやたらと絡んでくる渡辺先輩という人にも出会い、
入るつもりなんか微塵も無かったダンス部に入った。
何でかというと、彼女から「ダンス部に入ってくれるなら映画を一緒に観に行っても良い」と言われたから。
正直、ちょっと早まったかな~とも思ったけど彼女もダンス部のマネージャーになったので一緒に居る時間が増えたから今は入部して良かったと思う。
やたらと彼女に絡んでくるダンス部の渡辺先輩、いきなり彼女の事を○○って名前を呼び捨てで呼んだかと思うと距離感が近いしメチャメチャ馴れ馴れしくて嫌なんだよね。
中学から仲良くしてる俺だって、今だに深澤って苗字で呼んでるのに…あ~、腹立つ(-"-)💢
なんとなくだけど、彼女も渡辺先輩の事が気になってる感じがするから2人っきりにしないように気を付けないと…
いきなり出てきた男に彼女を持ってかれるとか有り得ないからね。
それから俺は、ダンス部に入った交換条件である映画を彼女と観に行った。
念願の初デートだったんだけど、途中ではぐれてしまい彼女に怖い思いをさせてしまった。
その時は田中先輩が助けてくれたから大丈夫だったけど…少しの間でも彼女を1人にしてしまった事を凄く後悔した。
何かあってからでは遅いから、次に出掛ける時はトイレの傍で待っててもらうとか誰か女の人に彼女を見ててもらうとか、充分に気を付けようと心に誓った。
彼女は1人にしておくと危なっかしい人だから…
考えてみたら、○○の憧れの人だと言う阿部先輩やダンス部の渡辺先輩や中学時代に付き合ってたと言う元彼の田中先輩…3人共イケメンで年上。
もしかしたら、○○は頼り甲斐がある年上が好きなのかな?とメチャメチャ凹んだ。
だって、どう頑張っても俺は
彼女より年上にはなれないから…
年齢ばかりは頑張りようがないからね。
でも俺は諦めない!
諦めずに頑張って努力すれば、いつかきっと好きになってくれると思うから。
そんなある日、俺は彼女に聞きたい事があって彼女の家に行った。
そして俺は、○○の口から衝撃的な言葉を聞かされた。

俺「…え(・_・)?き、キス😓?」
俺が部屋に入るなり、彼女がいきなりキスされたなんて言い出すから俺は頭の中が真っ白になったんだけど…
詳しく話を聞いてみたら頬っぺたにされただけだった。
『なんだよ、ビックリさせんなよな~💧でも、頬っぺたで良かった😌✨』
キスされたのが頬っぺたで安心していたら、阿部先輩にキスされた事を彼女がずっと嬉しそうに喋ってるから俺はメチャメチャ腹が立った。
あんまりムカついたから、たかが頬っぺたにキスされただけで喜んでいる彼女に本当のキスがどういうのか教える事にした。

俺「😌💋」
○○「ッ😓!?」
俺「キスって言うのは、口と口でするものだから…今のがキス。分かった?」
俺が唇にキスすると、彼女はよっぽどビックリしたのか固まってしまった。
いきなり唇にキスするなんて嫌われたかな~と心配になったけど、それよりも俺の気持ちを知ってて他の男に…例え頬っぺたでもキスされた事を嬉しそうに話す彼女の無神経さにムカつき過ぎて謝るなんて出来なかった。

俺「俺、キスした事は謝らないから。」
○○「え…😓?」
俺「俺が○○の事を好きだって知ってんのに、他の男にキスされたなんて嬉しそうに言う○○が悪いんだよ(¬"¬)」
それだけ吐き捨てるように彼女に告げると、俺は彼女の部屋から出て行く。
自分の家まで歩いているうちに段々と頭が冷えてきて冷静になった俺は、家に着くと自分の部屋で罪悪感に苛まれ寝込む羽目になった。
次の日、いつものようにラウールと彼女の家に向かって歩いていた。
『取り合えず、会ったら「昨日はごめん!」って謝んないと…やっぱ、いきなり彼氏でも無いのにキスしたのは駄目だったよな。自分がされて嫌な事はしちゃ駄目だって分かってたのに😖』
俺「ハァ~💧」
あれから何度目か分からない深い溜め息をつく俺。
ラウール「あ😲!めめ~。」
俺「ん~?何(-△-)?」
ラウール「○○ちゃんからLINE来て、今日は早目に学校行くから一緒に行けないって(・_・)」
俺にスマホのLINE画面を見せるラウール。
俺「…そう(¬△¬)」
『やっぱ、避けられた(-"-|||)』
ラウール「○○ちゃん、どうしたんだろうね?岡田先生に雑用でも頼まれたのかな~😖?」
『取り合えず、LINEで謝っとこう。見てくれるか分かんないけど…何もしないよりはマシだよな(-_-;)?』
スマホのLINE画面を開くと、俺は○○にLINEを送った。
俺<おはよう。昨日はごめん!ちゃんと謝りたいから話がしたい。>
俺「返事くるかな😖?…ハァ~💧」
○○に避けられた事にショックを受けて深い溜め息をつくと、俺は肩を落としながら学校に向かった。
結局、学校に着いても俺のスマホがLINEの通知を報せる事は無かった。
『やっぱり返事は来なかったか。○○の事だから、気付いてないだけかもしれないけど…教室には居るだろうから、教室に入ったら真っ先に頭を下げて謝ろう!』
ガラッ🚪
○○「ッΣ( ̄□ ̄;)!」
ダッ💨
そう決意して教室のドアを開けると、俺の姿を見た彼女はダッシュで教室から出て行くのが見えた。
俺「…(・△・)」
ラウール「え…?○○ちゃん?今、僕らの事を見て逃げなかった😓?朝も一人で行っちゃうし…何か怒ってんのかなぁ~😖?」
『謝るタイミングすら与えないくらい怒ってる💧俺はなんて事を…これで嫌われたら今までの努力が全部無駄になってしまう(-"-|||)』
休み時間
ガラッ🚪
教室に入ろうとドアを開けた瞬間、目の前に彼女が立っていた。

俺「あ…😓!」
『○○ッ!』
○○「ッΣ( ̄□ ̄|||)!?」
俺を見てビックリした顔をしている彼女。
俺「○○、あのさ-」
○○「ご、ごめん!私、職員室に用があったんだった😅💦」
早口で言うと、彼女は俺の横を走ってすり抜けようとしたので慌てて彼女の腕を掴んで引き止める俺。
俺「待って!」
ガシッ✋
○○「ッ😓!」
俺「逃げないで…お願いだから。」
○○「……。」
俺の言葉を聞いて逃げるのをやめてうつ向く彼女。

俺「俺の事、嫌いになった?」
○○「別に、そういう訳じゃ…」
彼女がやっと俺と話してくれそうだと思ったら、廊下を歩いていた女の子達の声が彼女の声を書き消す。
女子①「あッ!目黒くんじゃん!やっと会えたぁ~😆💕」
女子②「え?嘘ッ😲!本当だぁ~!めっちゃイケメン😆💕」
『最悪だ(-_-|||)』
○○「目黒くん、ごめんッ!私、用があるから😣💦」
バッ✋
俺の手を振り払うと、彼女は俺の横を猛ダッシュで走り抜けて行く。
俺「え?ちょ、○○😓?」
慌てて呼び止めたけど、彼女が止まってくれる事はなかった。
俺「…ハァ~💧マジで嫌われたかも😖」
深いため息をつくと、俺は話し掛けてきた女の子達の声も耳に入らず落ち込みながら教室に入った。
そして、放課後
俺はラウールに「今日は先に帰る。俺が一緒に居ると○○はまた逃げるから」と言って1人で帰った。
『早く謝って許してもらわねーと…ずっと避けられたままは辛すぎる(-"-|||)』
《続く》