※このお話は長編・『HELLO HELLO』の翔太くん目線の番外編で、番外編・『ターコイズ』の続きのお話です。
《続き》
学校に着くと、俺は窓枠に腕をのせて外を眺めながら落ち込んでいた。
『どうしよう?俺が自分の気持ちを優先させてたせいで、とうとう○○に怪我をさせてしまった😖』
深い溜め息をつきながら項垂れていると、誰かが俺の背中をポンと叩く。
ポン✋
佐久間「どうした?翔太~!そんな暗い顔して。佐久間さんで良かったら話聞くよ~😄🎵」
俺「佐久間…。」
『一番、悩みを打ち明けたくないのが来たな(-_-)』
佐久間「さぁ!佐久間さんに何でも話してごらん?力になるよ~😄🎵」
俺「いや、いいわ。遠慮しとく(¬△¬)」
スッと窓から離れて行こうとする俺。
佐久間「即答ッΣ(º□º|||)!?しかも、まさかの拒絶ッ😱💥何でだよ~!相談してくれよ~ッ😣💦」
俺の腕を掴んで必死に懇願する佐久間。
俺「あ~、うるさい(-"-)💢…ん?」
ふと、俺の腕を掴む佐久間の腕にあるブレスレットが目に入る。
俺「それ、いつも着けてるよな。」
佐久間「それ?…どれ(・△・)?」
俺「腕の。」
佐久間の左腕を指差す俺。
佐久間「ああ!これね😄うん!毎日着けてるよぉ~🎵御守りみたいなもんだからね(*^^*)❤️」
そう言いながら佐久間は、左腕に着けているパワーストーンのブレスレットを自慢気に俺に見せる。
俺「御守り(・_・)?」
佐久間「うん。この黒い石はオニキスっていって魔除けの効果があるし、この透明な石は水晶っていって何にでも効果がある万能の石だし、この青い石はターコイズっていって危険から守ってくれる石なんだよね~😄🎵」
俺「危険から…守る。」
ターコイズの石のブレスレットをジーッと見ていると、佐久間が俺の視線に気付いてターコイズのブレスレットを腕から外して俺の前に突き出す。
佐久間「はい!あげる~😄🎵」
俺「…え?何で😓?」
佐久間「欲しいんでしょ?めっちゃ見てるから😄」
俺「いや、いいよ!悪いし😅💦」
佐久間「遠慮しなくていいよ。俺、パワーストーン好きだからイッパイ持ってるし😄」
俺「…マジで貰って良いの?後で『やっぱ気が変わったから返して』とか言うのは無しだぞ(¬△¬;)?」
佐久間「分かってるって!そんなケチ臭い事言わないから😄」
俺「…じゃあ、貰っとく。ありがとう😊」
佐久間からターコイズのブレスレットを受け取ると、俺は手元にあるブレスレットをじっくり観察した。
佐久間「だけど、翔太がパワーストーンに興味あるとは思わなかったなぁ~😄」
俺「別に興味があるってわけでも無いんだけど…」
佐久間「違うの(・_・)?」
俺「う~ん…ただ、御守りっぽいのが欲しかったって感じ(-"-)?」
佐久間「ふ~ん(・_・)」
『パワーストーンか…○○にあげたら、○○の事を守ってくれるかな?』
俺「…佐久間ぁ~!」
佐久間「ん~?何~😄?」
俺「これさ、渡したいヤツが居るんだけど…その子に渡しても良いかな?」
佐久間「渡したい子(・_・)?それは構わないけど…何?好きな子でも出来た😁?」
ニヤニヤしながら俺に聞く佐久間。
俺「はぁッΣ(//□//)!?違うし!勝手に女って決めつけんなよな(//¬"¬//)💢」
佐久間「だって、その子とか言うから。翔太が子って付けて言うくらいだから女の子だと思ったんだけど…違ってた(*^^*)?」
佐久間「素直で宜しい😁…その子、喜んでくれると良いね😊」
優しい笑顔を浮かべながら言う佐久間に俺も自然と笑顔になる。
俺「(・_・)!…ああ😊」
佐久間の許しを得ると、俺はブレスレットを失くさないようにポケットに仕舞った。
放課後…
~屋上~
いつものように屋上で横になりながら寝ている俺。
天気が良くて誰も居ない屋上は俺にとって唯一の安らぎの場所だった。
俺「😌💤」
ガチャ🚪
屋上のドアが開く音が聞こえて俺は目を開けた。
俺「…ん(¬"-)?誰か来た?」
○○「目黒くん、何で屋上なんかに…」
俺「目黒?」
話し声が聞こえてヒョイッと覗き込むと、○○が誰かと話している光景が見える。
目黒「○○を阿部先輩と一緒に居させたくないから…ここに居れば阿部先輩の所に行けないでしょ😊?」
目黒「阿部先輩じゃなくて、俺と一緒に居てよ…駄目😖?」
○○「亮平くんとは一緒に勉強するだけだよ?お兄ちゃんも居るし…あッ!目黒くんも一緒に勉強する?それなら良いでしょ😅?」
グイッ✋
○○「わッΣ(º□º;)!?」
目黒が○○の腕を引っ張ると、目黒に抱きしめられている○○の姿が俺の視界に映る。
俺「ッ😓!」
○○「目黒くん😓?」
目黒「俺の事を好きになってよ…もっとイッパイ頑張るから。」
今にも泣き出しそうな切な気な声で呟きながら○○の首筋に顔を埋める目黒。
出ていくつもりなんか無かったのに、これ以上は見ていたくなくて…気付いた時には○○と目黒の前に出て行っていた。
俺「あのさ~!…イチャつくなら他の所でやってくんねー?うるさくて寝てらんねーんだけど(-"-)💢」
不機嫌そうに頭を掻きながら歩いてきた俺を見てビックリした顔をしている○○。
○○「わ、渡辺先輩ッ😱!?」
目黒「え?」
○○の声にゆっくりと顔を上げると俺の方を振り返る目黒。
不機嫌なのを隠す気も無い顔で○○と目黒を睨み付ける俺。
そんな俺を見てオロオロしてる○○。
『何で動揺してんだよ?俺に見られたからって動揺すんなよ。別に好きな男に見られたわけじゃあるまいし…本当は目黒の事を好きなくせに😖』
目黒がキスしても怒ったりしなかった事を思い出し、俺は凄く悲しくなって○○に意地悪したくなった。
俺「俺の事なんか気にせず続きをどうぞ😊」
無理矢理笑顔を作って○○に言う俺。
○○「続きって…私達は別に何も…😖」
俺「抱き合ってたよね?俺が出て行かなかったらキスぐらいしてたんじゃない😊?」
○○「してませんッ!何でそんな事言うんですか😡💢?」
○○「…え(・_・)?前?」
俺「お前が風邪引いて休んだ時。俺、お前にリンゴ渡そうと思って部屋の前まで行ったんだよ。その時に、お前と目黒が話してんの聞こえたから知ってんだよ。」
俺の言葉を聞いて黙り込む○○。
目黒「やっぱり、あの時の話聞こえてたんですね。そうじゃないかな~とは思ってたけど…」
○○「ッΣ(//□//)!」
目黒の言葉に○○の顔が一気に紅く染まる。
『何、紅くなってんだよ。キスされた時の事を思い出したから?…もう、確実に目黒の事好きじゃん😖』
俺「…お前さ、何で目黒と付き合ってやんねーの(¬△¬)?」
○○「え😓?」
俺「男の俺が言うのもなんだけど、目黒並みの外見したヤツはあんま居ねーだろ?普通の女なら即付き合うって言いそうなのに、お前はまだオッケーしてねーんだろ?何で?何か目黒に不満でもあんの(¬△¬)?」
『うるさい!うるさい!黙れよ、俺の口!余計な事ばっか言うな😣💢○○と目黒が付き合ったら嫌なくせに!煽るような事を言うなよ!頼むから黙ってくれ😣!』
思っても無い言葉が次々に俺の口から溢れていき、その度に俺の左胸がズキンと痛む。
○○「目黒くんに不満なんて無いですよ!優しいし、困った時とか頼りになるし…」
俺「不満が無いなら、サッサと目黒と付き合っちゃえば良いじゃん。何で付き合ってやんねーの?」
左胸が痛いのに、思ってもない言葉が次々に出てきて俺の口は止まってくれない。
○○「ムッ(-"-)💢そんなの、渡辺先輩には関係ないじゃないですか!」
俺「関係あるから言ってんだよ。」
○○「どう関係あるんですか?意味分かんないんですけど😡💢」
俺「お前が誰ともくっついてくんねーと俺が困るんだよ(-"-)」
○○「…(・_・)?何で私が誰とも付き合わないと渡辺先輩が困るんですか😖?」
俺「お前の事を好きになるからだよ。」
○○「…え(・△・)?」
俺の言葉にビックリした顔をする○○と目黒。
俺「いい加減、ハッキリさせれば?お前がハッキリ断んないから、いつまでも目黒が諦めらんないんだろ?お前がハッキリと目黒の事をふれば目黒だって他の女のとこに行けるんじゃねーの(-"-)?」
○○「それは……😖」
俺の言葉に黙ったままうつ向く。
目黒「…渡辺先輩、○○に余計な事を言うのやめてもらえますか(-"-)💢?」
怒ったような険しい顔で俺を見る目黒くん。
俺「はぁ?俺はお前の為に言ってんだけど?せっかくモテんのにコイツばっかり追ってるせいでずっとフリーなお前が可哀想だから…」
目黒「大きなお世話です!俺が彼女になって欲しいのは○○だけだから、ハッキリふられても諦めるつもりは無いので可哀想とか思わなくて良いです。」
○○「目黒くん…😖」
俺「マジか…お前、メンタル強いな(-△-;)」
ガチャ🚪
屋上のドアが開き、ひょっこりと顔を覗かせる阿部。
阿部「あ!やっと見つけた😄❤️」
○○「亮平くん😓!」
俺『阿部?何で阿部がここに…とっくに帰ったと思ってたのに。』
俺「ナイショ。」
○○「え?抜けてる(・△・)?…ハッΣ( ̄□ ̄|||)!髪の毛😱!?」
慌てて頭を押さえる○○。
俺「ちげーよ、バカ(-"-)💢」
○○「バカっ😨!?」
俺「そんなんだから目黒にも俺にもキスされんだよ。」
○○「へ…(・△・)?なッΣ(//□//)💓!?何言って…って、え?俺にも😓?」
○○「へ(・△・)?お、襲うッΣ( ̄□ ̄|||)!?っていうか、えッ😲!?今、なんか凄い事言ってなかったですか!?キスって何?全然意味が分かんないんですけどッ(>△<)💦」
俺「あ、やべっ!もう18時過ぎてんじゃん(-△-;)。早く帰んねーと又怒られる💧」
このまま居たら寝てる○○にキスした事を言っちゃいそうだったから、俺はこの場から逃げる事にした。
○○「え😓?ちょ、ちょっと待って下さいよ!今の話の説明をちゃんとして下さいッ😣💦」
帰ろうと○○に背を向けた俺の腕を慌てて掴んで引き止める○○。
俺「はいはい、また今度な😅✋」
○○の手を優しくほどくと俺はダッシュで逃げた。
『流石に無防備に寝てる女にキスしたとかヤバイよな?俺が○○なら軽蔑するし、一生顔も見たくないと思うくらい嫌いになるはず。だから、この事は黙っとかないと…(-_-;)』
○○が追い掛けてきて駅で捕まったら困るので、少しカフェで時間を潰してから家に帰った。
~自宅前~
自分の家に着くと、家の前に元カノが立っていた。
俺「😓!…◎◎。」
◎◎「お帰りなさい😊ずっと待ってたんだよ?どこ行ってたのかな?」
俺「別にどこだって良いだろ?待っててなんて行ってねーし。どこに寄り道しようと俺の自由だから(-"-)」
元カノの事は見ずに玄関のドアに鍵を差して家に入る俺。
俺「面白いモノ(¬"¬)?」
眉間にシワを寄せながら不機嫌そうに元カノに聞くと、元カノは見覚えのある封筒を見せてきた。
◎◎「これ、なぁ~んだ😄❤️」
俺「ッ😓!それ…返せッ!」
慌てて手紙を取ろうと手を伸ばすと、元カノは素早く背後に手紙を隠す。
◎◎「私が彼女のフリしてあげても良いよ😊?」
俺「はぁ(-△-;)?何言ってんの?意味分かんないんだけど…💧」
◎◎「手紙、気になったから読ませてもらっちゃった😄なんか、この手紙の子って翔太の事が大好きみたいだね❤️」
俺「……。」
◎◎「この写真の女の子…○○ちゃんだっけ?相当、手紙の差出人の子から憎まれてるみたいだけど大丈夫?このままだと手紙の子に何かされるんじゃない😊?」
顔をカッターで✕印に傷付けられている○○の写真を俺に見せる元カノ。
俺「…◎◎には関係ねーだろ?」
◎◎「冷たいな~。私は翔太くんの力になってあげようとしてるのに😊」
俺「力になる(-"-)?」
◎◎「私が翔太くんの彼女って事にすれば、手紙の子も○○ちゃんに意地悪するのをやめて○○ちゃんも安全に過ごせるようになるんじゃない😊?」
俺「◎◎が…俺の彼女?」
◎◎「私なら学校も違うし、翔太を迎えに来たりしなければ安全だし😊…ね?良い方法だと思わない😄?」
『確かに◎◎の言う通りかもしれない。俺が違う女と付き合ってる事が分かれば、ストーカーは○○には何もしないはず。』
元カノの言葉に俺の気持ちが揺らぐ。
俺「ステータスって何だよ(-"-)?意味分かんねーし…っていうか、気持ちが無いのに抱かれて嬉しい?虚しくなんないの?」
俺「どうでも…良い?」
◎◎「うん。私は寂しさを埋めてくれて、皆に羨ましがられる相手なら誰だって良いの😌」
俺「…じゃあ、俺と付き合ってた時は?あの時も俺の事が好きなわけじゃなかったの?」
◎◎「私、年下は好きじゃないから。翔太くんはイケメンでモテるって聞いたから、彼氏にしたら友達に自慢出来るから良いかな~と思ったから付き合っただけ😌」
怒りと哀しさで泣きそうになるのを、手をギュッと握って耐える俺。
◎◎「翔太くんと別れてから、SNSで人気があるのを知った時はメチャメチャ後悔したよ。あ~、潤くんじゃなくて翔太くんにしとけば良かったって😊」
話を聞いてるだけでイライラしてブチ切れそうになるのを必死に耐えた。
どんなにムカついても相手は女だから殴るわけにはいかない。
俺「もう帰ってくんない?着替えたいんだけど…」
◎◎「じゃあ、翔太くんの部屋で話しよっか?私もその方が良いし😊❤️」
俺「そうじゃなくて!俺は好きでもない女を抱くつもりも無いし、◎◎とも関わりたくないから。もう俺の事はほっといてくれ!」
◎◎「それは無理😊」
俺「は😓?無理?」
◎◎「私、翔太くんの事が欲しくなっちゃったから😊私ね、今までず~っと自分が欲しいモノはどんな手を使ってでも手に入れてきたの。だからね、翔太くんが私のモノになってくれないなら…私、○○ちゃんに酷い事してでも翔太くんを自分のモノにしようとしちゃうかも😊❤️」
俺「…😓」
『コイツ、マジかよ💧なんでこう、俺はヤバイ女にばっかり好かれんだよ(-△-|||)』
◎◎「それでも良いなら帰るけど…どうする😊?私を抱いてくれるだけで、○○ちゃんを守れるんだよ?良い話だと思わない😊?」
◎◎「😌💤」
俺「終わったらすぐ帰れって言ったのに寝てるし(-"-)💢」
スヤスヤと気持ち良さそうにベッドで寝ている元カノを見ているとイライラが増してきたので外に出る事にした。
幸いな事かは分からないけど、両親は今日は帰って来ないらしい。
こんな時間にまだ俺の部屋に◎◎が居たら彼女だと思われて面倒になるからな。
まぁ、偽の彼女って事にはなったけど…
無造作に脱ぎ散らかしたワイシャツを手に取ると、俺はシワになっているのも気にせず袖を通す。
外に出るとまだ夜明け前で暗かったから星がキレイに見えた。
俺「はぁ💧しんど…😖」
これが本当に最善策だったのかな?
他にもっと良い方法があったんじゃないかと今更ながら思えてくる。
後悔しても遅いんだけど…
俺はポケットからターコイズのブレスレットを取り出すと月明かりに照らす。
俺「危険から守る、か…。俺の代わりに○○の事を守ってくれよ😊」
ターコイズの石に願いを託すと、俺はターコイズのブレスレットを腕に着けた。
○○には深澤から渡してもらおう。
それまでは俺の腕に…